中国・深圳で啓発プレゼン(動画あり)

更新日:2020年02月23日(投稿日:2020年02月23日)
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TEDx


中国の深圳で行われた「TEDx」というイベントで、心理学者の Ruth Perednik氏が、場面緘黙症をテーマにしたプレゼンテーションを行いました。2019年12月1日のことです。

↓ 情報源。
◇ TEDxShenzhen | TED
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そしてその時の模様を撮影した動画が、2月21日に YouTube で公開されました。

↓ その動画です。英語。16分33秒。
Hear the Silent Cry of Selective Mutism为什么他们对陌生人只能沉默? | Ruth Perednik | TEDxShenzhen


※ 動画をYouTubeのページでご覧になりたい方は、こちらをクリックしてみてください。
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Ruth Perednik氏について


Ruth Perednik氏は、イスラエルの心理学者です。緘黙や不安症がある子の治療を20年にわたって行ってきました。緘黙については著書もあります。

↓ その著書を紹介した記事です。
◇ 10代など年長の緘黙児治療に、80ページ割いた外書
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Ruth Perednik氏は、国際的に活動する緘黙専門家の一人でもあります。同氏はイスラエル在住にもかかわらず、2018年には、中国大陸の方を対象とした緘黙のウェブサイトを開設したり、台湾で定員500人規模の講演の講師に招かれたりしていました。先ほどの著書にしても、中国語の簡体字版が電子書籍で出ています。


プレゼンの概要


プレゼンは、一般の方に向けて緘黙について説明するとともに、緘黙がある人をどう助けるかについて述べたものです。

ただし、緘黙のみならず、社交不安症や不安症についても話を広げたものとなっています。ここから、日本の引きこもりにまで話題が及んでいます。


感想


なにより、Ruth Perednik氏が深圳のTEDxに出演されたことに驚きました。

プレゼンも、聴衆の注意を引きやすそうな出だしや、最も強調したい点を結びに持ってくるなど、練られていたと思います。

ライターの David Dobbs氏の説明を引用して、社交不安がある人を蘭の花 (orchid) に喩えていますが、緘黙の説明でこの喩えを持ち出すのは Ruth Perednik氏ならではかもしれません。この話の元は、子どもには「たんぽぽの子ども」と「蘭の子ども」がいるという喩えと仮説です。David Dobbs氏の記事や小児科医の W. Thomas Boyce氏の著書 The Orchid and the Dandelion などで広まった喩えのようです。ただ、私はこれについては詳しくは知りませんし、万が一これが、最近問題化している疑似科学の類いだと困るので、詳しい説明はここでは省きます。

しかし、英語のプレゼンなのに、皆さんよく聴いていますね。深圳は英語ができる方が多いのか、この聴衆が特別なのか、そこは分かりません。

緘黙は、途上国で放置されている?


Ruth Perednik氏の見解かどうかは分からないのですが、動画の解説文に書かれている次の文章が印象的でした。

場面緘黙症は、中国のような発展途上国、特に深圳のような大都市ではしばしば放置されてきた問題です。

This is a problem often neglected in developing countries like China, especially in metropolis like Shenzhen.

途上国で放置されてきたのか、大都市で放置されてきたのか、はっきりしない文章ですが、確かに途上国では特に緘黙が顧みられていないのではないかとは感じています。Ruth Perednik氏のように、そうした国で啓発を行うことも意義のあることかもしれません。

※ 中国が途上国かどうかは、議論が分かれるところだろうと思います。



『かんもくの声』について

更新日:2020年02月17日(投稿日:2020年02月17日)
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先日発売された『かんもくの声』という本を読み終えました。この本について、簡単にご報告したいと思います。

本の基本情報


著者:入江紗代
書名:かんもくの声
出版社:学苑社
発売日:2020年2月10日
発行日:2020年3月1日
ページ数:287
サイズ:B6サイズか
文字方向:縦書き


本の概要


緘黙の経験や、緘黙に対する考えを書いた本


本書は、著者の緘黙についての経験や考えをまとめたものと概ね言えるのではないかと思います。『私はかんもくガール』や『かんもくって何なの!?』に連なる本という見方もできるかもしれません。

こうした本は、著者の経験が時系列に書かれることが多いです。本書の場合も大体そうなのですが、その一方、時系列が前後する場面も目立ちます。例えば80ページでは、中学校の文化祭の話をしていると思ったら、次は幼稚園と小学校の鼓笛隊や音楽発表の話に飛んでいます。必ずしも時系列には拘らず、ところどころ、トピック別に話をまとめる形をとっているようです。

また、著者は当事者活動に携わる活動家でもあり、緘黙と社会についての考えを書いた第5章にはその一面が現れています。これは、類書にはない特徴です。


文章の本


本書は、日本語の文章のみで書かれた、紙の本です。当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、ここのところ出ていた緘黙経験の和書は、『私はかんもくガール』に『かんもくって何なの!?』といったコミックエッセイや、『あなたの隣の話さない人』などの電子書籍でした。今回の形式で緘黙経験が発表されたのは、さくらかよさんの『君の隣に』(2002年10月)以来、実に17年ぶりのことではないかと思います。この点で、類書と差別化された格好になっています。

本書は写真や挿絵が一つもなく、シンプルに文章のみで伝えています。また、この2冊のコミックエッセイについていた専門家の解説はなく、著者の文だけで構成されています。


深刻な内容が、ストレートに


本書は、著者の深刻な経験がストレートに書かれています。また、ちょっと刺激が強いと感じる部分もありました。これから読むことを検討されている方は、留意して頂きたいです。


感想


『私はかんもくガール』に『かんもくって何なの!?』、そして今回の『かんもくの声』など、経験者の和書が近年複数出て、結構なことだと思います。読み比べると、緘黙を経験した方も多様であることが分かります。私としては、本書には共感できない部分も多かったですし、著者とは根本的な感性の違いも感じたのですが、これも人それぞれということでしょう。

さて話が変わりますが、奇しくもこの本が発売されたちょうど同日か翌日に、はあちゅうさんがInstagramのコメント欄の中で、ご自身の緘黙経験についてこうお話されていたのがとても印象に残っています。

「私は当時の記憶があんまりないです...!」

◇ そのコメントを含んだInstagram投稿
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※ 『かんもくの声』出版とは無関係のコメントです。

また、コメント欄をよく見ると、はあちゅうさんは、「場面かもく症」と脱字か誤記かを繰り返してしまわれたようです(後に修正)。「経験者なのに当時の記憶があまりないなんて、しかも場面緘黙症の名前を間違えるなんて、信じられない!」と驚く方もいらっしゃるでしょうが、こういう経験者がいても何の不思議もありません。そして、私はこういう方の緘黙経験にも関心があります。

そろそろはあちゅうさんのように、緘黙だったことをあまり覚えていない方や、(はあちゅうさんがそうだと言うのではないのですが)小学校低学年で緘黙が治るなど、緘黙が比較的長期化しなかった方、あるいは「私は緘黙の経験者だ」という当事者意識が薄い方の経験談を単著で読んでみたいです。そういう方もだいぶいらっしゃると思いますので。

ですが、そんな本が出るわけがありません。同じ緘黙の経験談でも、本になりやすいものと、そうでないものがあります。





フジテレビ系で、またもパティシエ「みいちゃん」

更新日:2020年02月11日(投稿日:2020年02月11日)
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全国的に放送


2月11日(火曜日)、フジテレビ系の夕方の報道番組の中で、場面緘黙症がある小学生パティシエ「みいちゃん」のお店がオープンした時の模様が報じられました。

関西地方や一部の都県を除いて、全国的に放送されたそうです。

↓ その動画です。6分51秒。
「場面緘黙症」みいちゃんの夢 世界一12歳のパティシエ


※ 動画をYouTubeのページでご覧になりたい方は、こちらをクリックしてみてください。
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↓ 放送内容を文章形式で読むことができます。
◇ “世界一”12歳のパティシエ 「場面緘黙症」みいちゃんの夢 | FNN.jpプライムオンライン
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↓ 情報源です。
◇ みいちゃんのお菓子工房 - 関西以外の方へおしらせ 本日、フジテレビLive News it!... | Facebook
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1月13日放送分の続編


この番組は1月13日にも、みいちゃんを取り上げています。今回は、その続編のようなかたちです。

↓ 1月13日の放送内容。FNN.jpプライムオンラインへのリンクです。
◇ “世界一”の小学生パティシエ 「障害とともに」12歳少女 夢への挑戦
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みいちゃんは、ここのところメディアで繰り返し取り上げられています。先週2月4日(火曜日)にも関西テレビで特集され、そのときの模様が今日、Yahoo!ニュースで記事になったところです。

↓ その記事です。
◇ 【特集】“話せない少女” パティシエに挑戦(関西テレビ) - Yahoo!ニュース
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