傷病名の統一問題

更新日:2024年04月17日(投稿日:2024年04月17日)
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様々な表記や呼称の存在


「場面緘黙」
「場面緘黙症」
「場面かん黙」
「場面かん黙症」
「選択性緘黙」
「選択性かん黙」

全部同じ事です。しかし、このように様々な表記や呼称を見かけます。

緘黙に限らず、様々な病気や障害で、このような例を目にすることがあります。ですが、場面によっては、用語の統一が望ましいこともあります。


診療報酬明細書に記載される傷病名の統一


最近厚生労働省が問題視しているのは、医療機関が保険者に発行する診療報酬明細書(レセプト)に記載される傷病名です。定められた傷病名を記載するべきところを、そうではない名称が使われていることが多いそうです。例えば、「カタル性胃腸炎」と診療報酬明細書に記載するべきところを、「胃腸カタル」と記載されることがあります。

厚労省は、この診療報酬明細書に記載する傷病名の統一を推進しています。緘黙関係については、「選択性かん黙」に統一する方針です。

↓ 情報源。110ページをご覧ください。厚労省ホームページへのリンクです。令和6年3月27日。PDFファイル。1.63MB。
◇ 傷病名コードの統一の推進について
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繰り返し強調しますが、診療報酬明細書に記載する名称を「選択性かん黙」に統一しようというお話です。それ以上の意味はありません。なぜ「場面緘黙」などではなく「選択性かん黙」なのかについては、よく分からなかったのですが、おそらくは世界保健機関(WHO)による国際疾病分類の第10回改訂(ICD-10)の名称に準拠したのだろうと思います。

しかし、今回のことで、緘黙の表記や呼称は様々だと今更ながらに考えさせられました。時には、今回のように何らかの不都合があるかもしれません。



緘黙個人サイト最盛期

更新日:2024年04月10日(投稿日:2024年04月10日)
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私は4月10日を「緘黙の輪の日」と呼んでいます。毎年この日になると、場面緘黙症を扱った昔の個人サイトの時代についてお伝えしています。今日、緘黙について様々な情報交換や交流が行われていますが、その原点が、個人の緘黙サイト時代にあるというのが私の歴史認識です。私はこの時代のことをリアルタイムで知っていることもあり、重視しています。

ですが、ここで私が対象としている「個人の緘黙サイト時代」とは、具体的にはいつ頃なのか。この説明をしたことがありませんでした。そこで、今回はこのことについてお話ししたいと思います。

結論を言うと、2000年から2005年頃までです。緘黙を少なくとも主要コンテンツの一つとして扱った個人サイトが最初にできたのがおそらく2000年です。2006年頃になると個人ブログが目立つようになり、個人サイトから個人ブログへの移行期に入ります。その前の大体2005年頃までが、緘黙の個人サイトが中心にあった時代ではないかと思います。

この2000年から2005年までの緘黙関連の主な出来事を、私なりにまとめてみました。出来事の選定には、私の独断と偏見がそれなりに入っているかも知れません。

2000年
○ 「ココロのひろば」開設。また、同サイトがウェブリング「緘黙の輪」を開始。
○ 『沖縄タイムス』が、緘黙を取り上げる。
○ 「DORAKO ROOM」開設。
○ 「ふゆう」に緘黙のコンテンツができる。
○ この頃?「風来る」開設。
○ この頃?「明日へ・・・」開設。
○ Yahoo!掲示板に、「緘黙症」のトピックが立ち上がる。
○ 「ほほえむ」開設。

2001年
○ 「ふわふわ、とん。」開設。
○ この頃?「この空をとべたら」開設。
○ 初の緘黙オフ会開催か。
○ 「教えてgoo!」(現在OKWAVE)に緘黙の質問が登場。
○ NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」で、緘黙が描かれる。

2002年
○ 『朝日新聞』が緘黙を取り上げる。
○ さくらかよ『君の隣に』出版。「ほほえむ」の掲示板に著者が登場。

2003年
○ 「緘黙の輪」登録サイト数が急増、20件を突破する。
○ 匿名掲示板群「2ちゃんねる」に、緘黙のスレッドが立つ。
○ 「ぴすちゃんのお部屋」開設。
○ この頃?「場面緘黙症専用」開設。

2004年
○ この頃?「だって学校行けないんだもん〜場面緘黙と息子2号〜」開設。
○ Wikipedia に「緘黙」の項目ができる。
○ 「心の声が聞こえますか?」が「ほほえむ」で公開。
○ Yahoo!知恵袋に、緘黙の質問が登場。
○ この頃?「☆smile_room(^-^)/」開設。
○ 「のひめの宝物」開設。

2005年
○ この頃?「今日も。」開設。
○ この頃?「Beautiful day」開設。
○ 「場面緘黙症専用」が、Yahoo!Japan カテゴリに登録される。
○ この頃?「緘黙克服クラブ」開設。
○ この頃?「国立特殊教育総合研究所」ウェブサイトで、緘黙の解説が載る
○ 緘黙のブログが開設ラッシュ。「アニマルセラピーやってます♪」「ほんとうは暖かい光が好き」など。




『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』

更新日:2024年04月03日(投稿日:2024年04月03日)
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医療漫画が緘黙を取り上げる


『月刊コミックゼオン』(コアコミックス)などで連載中の医療漫画『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』の第21~22話で、場面緘黙症が取り上げられました。「場面緘黙(ばめんかんもく)症/緘動(かんどう)症」と題する話です。

作者は佐原ミズさん。テレビドラマ化した『マイガール』や、実写映画化した『尾かしら付き。』などで知られます。また、医療監修は北岡寛己さん。東京大学医学部附属病院小児科の助教に同名の方がいらっしゃり、この方のことと思われます。

本作は、どうやら掲載媒体によって最新話が異なるようです(間違っていたら、ごめんなさい)。緘黙の話が最新話として公開された媒体は、「マンガほっと」というアプリまたはウェブサイトです。いずれ他の媒体や単行本にも掲載されるものと思われます。

↓ マンガほっとWEBへのリンクです。
◇ ハネチンとブッキーのお子さま診療録|マンガほっとWEB
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簡単な内容と感想


私はこのお話を読みました(無料アカウント登録で読みました)。せっかくですので、簡単な内容の報告と感想を書きます。

まず、作品の概要ですが、前編が12ページ(扉ページ含む)、後編が13ページの分量でした。幼稚園児の親の視点から描かれた話です。しかし、緘黙児の親ではなく、別の親の視点から描かれています。これは緘黙を描いたフィクションとしては新しいです。

緘黙だけでなく、緘動も合せて描かれており、私としては嬉しいです。緘黙の概説もその通りだと思います。ただ、今作で描かれている緘黙児は、かなりマイルドに描かれています。緘黙というともっとひどくて、幼稚園や学校等で同級生や先生と話せなくなるのが一般的だろうと思います(人にもよりますが)。

一般に、物語は、マイナスからプラスに転じるハッピーエンドが一つの「型」です。緘黙を題材にした話だと、やはり発話へのステップが前進したり、話せるようになったりする場合があります。過去に緘黙を取り上げた医療漫画『放課後カルテ』や『リエゾン』では、そうでした。今回はそれとは異なるエンディングが描かれています。読後感はよいです。

少し前まで、インターネットで「緘黙」と検索しようとすると、検索候補に「緘黙 ずるい」が出てきました。端からみて、そう感じてしまう人もいるのでしょう。今作を読んで、そのことを思い起こしました。緘黙への理解が進むとよいです。