緘黙の診断も受けたグレタさん、ノーベル平和賞受賞なるか

更新日:2019年10月12日(投稿日:2019年10月05日)
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[追記(2019年10月12日)]

今年のノーベル平和賞は、エチオピアのアビー・アハメド首相に授与されることが発表されました。

↓ 情報源。
◇ The Nobel Peace Prize 2019 - NobelPrize.org
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受賞すれば大ニュース


今年のノーベル平和賞の受賞者が、10月11日(金曜日)に発表されます。

これまでにもお話したように、候補者として正式に推薦された人物の一人に、16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)さんがいます。グレタさんは、鬱を経験し、アスペルガー、強迫性障害、そして場面緘黙症(正式名は選択性緘黙)の診断を受けた過去があることを公表しています。

ご本人は緘黙経験については特に強調していないものの、もし受賞すると、やはり緘黙関係では大ニュースでしょう。緘黙経験者のノーベル賞受賞は、聞いたことがありません。

グレタさんといえば、9月23日の国連演説が世界的に大きな話題となりましたが、その日の前後、 "selective mutism"(緘黙の英語名)のインターネット上の検索人気度がこれだけ上昇しています(以下のリンク参照)。ノーベル平和賞を受賞すると、もっと大きなことになるかもしれません。

↓ Googleトレンドへのリンクです。
◇ selective mutismの検索動向(過去5年)
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ただし、日本語ではそれほど目立った上昇幅は確認できません。

↓ Googleトレンドへのリンクです。
◇ 緘黙の検索動向(過去5年)
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日本語だと2019年9月上旬から中旬に少し上昇していますが、これはテレビ番組「バリバラ」の再放送や、フェルミ研究所の動画の影響と思われます(国連演説は9月23日)。日本のメディアは、海外メディアと違い、グレタさんの緘黙について現段階ではほとんど報じていないため、このような違いになったのでしょう。

ノーベル平和賞受賞でさらに注目が集まれば、そうしたメディアの取り扱い方にも変化が出ないとも限りません。


「もう一つのノーベル賞」を、先月受賞


現実にグレタさんが受賞する可能性はあるのでしょうか。海外では誰がノーベル平和賞を受賞するかを予想する賭けサイトがあるのですが、ここでは何ヶ月も前からグレタさんが予想1位を保っています。

↓ そのページ。
◇ Nobel Peace Prize 2019 Odds | Nicer Odds
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また、グレタさんは、9月末に「もう一つのノーベル賞」と呼ばれる、スウェーデンの「ライト・ライブリフッド賞」を受賞しています(ただし、受賞者はグレタさんの他にも3人います)。こうお話しすると、いかにも受賞しそうです。

↓ 「ライト・ライブリフッド賞」2019年受賞者
◇ 2019 Announcement - The Right Livelihood Award
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その一方、「ノーベル平和賞ウオッチャー」として知られるオスロ国際平和研究所のウーダル所長は、グレタさんを予想に含めていません。

↓ ウーダル氏の予想。
◇ Nobel Peace Prize 2019: PRIO Director's Shortlist
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10月11日(金曜日)の受賞者発表に注目


私は、緘黙の診断を受けた過去があるという単純な理由で、グレタさんがノーベル平和賞を受賞して欲しいとは思いません。なにしろ、ノーベル平和賞です。誰が受賞するかは、もっと大きな問題です。

ですが、お話したように、もし緘黙の診断を受けた方が受賞となると、やはり緘黙関係では大ニュースでしょう。グレタさんが受賞するかどうか、注目したいです。





かんもくネットおしゃべり会が、100回

更新日:2019年10月02日(投稿日:2019年10月01日)
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かんもくネット会員限定の会


かんもくネットのおしゃべり会が、10月4日(金曜日)開催分で、第100回を迎えます。

↓ かんもくネットホームページへのリンクです。
◇ Knetおしゃべり会
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この会は、かんもくネット会員限定の会です。私は会員ではないので出席したことはなく、その内容は知りません。

これまで27都道府県で実施


かんもくネットのおしゃべり会は、2008年7月18日に始まりました。第1回の開催地は大阪でした。

その後、全国各地で行なわれてきました。これまで27都道府県で実施されています。特に、以下の都県は開催回数が多いです。

兵庫県 20回
愛知県 14回
東京都 12回
福岡県 6回
富山県 6回

その一方、20の府県では未開催です。青森、岩手、秋田、福島、群馬、福井、山梨、長野、静岡、京都、奈良、島根、岡山、香川、愛媛、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎ではまだ実施されていません(このうち熊本は、第101回に予定されています)。

そのうち福島、長野、静岡、京都、岡山は人口が多い府県で、未開催は意外に感じます。また、長野での未開催は、別の意味でも意外に感じます。


地域の会とのコラボも


2010年代に入ると、地域によっては、その地に根ざした緘黙の会などができました。すると、そうした地域の会とのコラボ開催が行なわれるようになりました。

かんもくネットおしゃべり会の、今後の展開は気にしています。

「私は緘黙の専門団体『かんもく結社』代表の鵜入聖子(うにゅうせいこ)です。今日はカゴシマの会の方との交流会です」と書かれてあります。
※ 上の画像は「緘黙RPG」より、コラボ開催をもとに作ったシーン。コラボ開催と交流会は厳密には違います。なお、フィクションです。



「選択性緘黙」が「場面緘黙症」に正式に変更か

更新日:2019年10月12日(投稿日:2019年09月26日)
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「場面緘黙症」はこれまで正式名称ではなかった


私たちが「場面緘黙症」「場面緘黙」と呼ぶものは、正式には「選択性緘黙」という名称です。その根拠の一つは、WHO(世界保健機関)による「国際疾病分類」ICD-10での和訳がそうなっているからです。

ところが、その改訂版であるICD-11では、「選択性緘黙」から「場面緘黙症」に変更されるという新情報が公開されました。以下の資料をご覧ください。

↓ 厚生労働省ホームページへのリンクです。PDFファイル(380KB)。9ページをご覧ください。
◇ 2019年9月26日 ICD専門委員会 | これまでの日本精神神経学会での病名検討の経緯 | 神庭重信 日本精神神経学会
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なお、上の資料を提出した神庭重信氏は、日本精神神経学会の理事長です。また、上の資料は、厚労省の「第22回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会」での資料です。

↓ その委員会について。【資料2-2】が今回の資料。厚生労働省ホームページへのリンクです。
◇ 第22回社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類専門委員会
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これまでの経緯


ここで、これまでの経緯を少し復習します。

私は全く知らなかったのですが、いつの間にか緘黙に関わる諸々の団体が、ICD-11の改訂に向けて連合体(場面緘黙関連団体連合会;金原洋治会長)を作り、名称を「選択性緘黙」から「場面緘黙」に変更するよう、関係の学会等へ要望書を出すなど運動を行なっていたそうです。

「選択性」だと、本人が自ら話さないことを選択しているというニュアンスがあり、誤解を与えかねないからというのが理由のようです。

↓ 情報源。「群馬ニーズ教育研究会」ブログへのリンクです。
◇ 選択性緘黙から場面緘黙へ変更
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その結果、日本精神神経学会は「場面緘黙」への変更を草案として、2018年6月にパブリックコメントを募集しました。ここまでは、このブログでお話しています。

↓ その時の記事です。
◇ ICD-11新名称案に「場面緘黙」-パブリックコメント開始
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新情報「場面緘黙」に「症」がつく


その後、上記資料によると、パブリックコメントを通じて「場面緘黙」を採用するようさらなる働きかけがあったそうです。実際、そうした呼びかけは私も目にしています。例えば……

◇ 日本不安症学会による呼びかけ
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◇ かんもくネットによる呼びかけ
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そして、草案通りではなく、「症」をつけた「場面緘黙症」に変更--というのが、今回明らかになった新情報です(上の資料の情報が確かならば)。「症」をつけたのは、「病名検討の原則に照らし合わせ」とのこと。

今後、この案がさらに変更される可能性があるかどうかについては、私には分かりません。引き続き、今後の情報を注視したいです。

※ 記事投稿後、パブリックコメントへの呼びかけ等について書き加えています。