緘黙で、いくらお金が動くか

更新日:2022年03月27日(投稿日:2022年03月27日)
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緘黙のテレビドラマを作ると、億かかる?


「場面緘黙症を扱ったドラマを作って欲しい」

こういう声が、緘黙関係者から出ることがあります。ドラマとは、キー局のテレビドラマのことでしょう。

私も学校で長期間話せない経験をした身として、気持ちは分かります。一方で、経済学部出身ゆえか、「いくらお金がかかるのだろうか」と考えてしまいます。

テレビドラマ制作費の実態については、正確なところは公にされていないようです。ただ、どこまで信用できるかは分かりませんが、以下のような週刊誌系の報道もあります。これによると、キー局のテレビドラマの制作費は、特殊な例は別とすると1本2,000万円~3,000万円といったところでしょうか。

↓ zakzakへのリンクです。
◇ NHK、コロナ禍も安定のドラマ製作費 大河は11年間で2000万円UP、民放は安価なバラエティー番組に走り
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↓ NEWSポストセブンへのリンクです。
◇ 1本1億円? 各局看板ドラマの制作費、果たしてペイするか
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連続ドラマだと、全話で億の制作費がかかるでしょう。そういえば、2016年に吃音のヒロインが登場するドラマ『ラヴソング』が、フジテレビの月曜夜9時台のドラマとして全10話放送されましたが、仮に制作費が1話2,000~3,000万円だとすると、全話で2~3億円かかった計算になります。

↓ ドラマ『ラヴソング』についての記事です。
◇ フジテレビ「月9」ドラマに、緘黙の絵本
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これほど制作費がかかるとすると、私のような遠慮がちの性格の者は、気安く緘黙のドラマを作ってくれと言うことはできません。特に、営利企業である民放についてはそうです。私たち緘黙関係者が出費してドラマを作るのではなく、一民間企業に出費して作ってもらうわけですから。

ただ、緘黙のドラマを作って欲しいという願いが間違っているとも思いません。私が遠慮がちなだけでしょう。


参考:緘黙で動いたお金


参考までに、これまで緘黙でお金がいくら動いたかについて、分かる範囲で見てみます。

仰天ニュース


上記zakzakの記事によると、バラエティ番組の制作費は1本1,000万円~1,500万円ほどだそうです。

バラエティと言えば、日本テレビ系番組「ザ!世界仰天ニュース」が、緘黙の経験者を全面的に取り上げたことが2度あります。1度目は、2時間スペシャルの中の4エピソードの1つ。2度目は、1時間の通常放送の中の2エピソードの1つでした。

仮に制作費が1時間1,000~1,500万円だとすれば、緘黙のエピソード2回で総額1,000~1,500万円かかった計算になります。

科研費


緘黙の研究に、科研費が配分されています。科研費とは、文部科学省と、その外郭団体である独立行政法人日本学術振興会による研究助成事業です。

交付金額は様々ですが、最も多い研究では、5年間で2,561万円というものがありました。最少額は、3年間で143万円。

総額では、緘黙の研究への配分額は6,958万円です。

↓ 過去に科研費に採択された緘黙の研究を閲覧できます。
◇ KAKENで「緘黙」と検索
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緘黙の本の売上高


2008年に出版された『場面緘黙Q&A』は、2019年に累計2万部に達したそうです(出版社情報)。2,000円ほどの本ですので、売上高は次のような計算になります。

12年間の売上高:約4,000万円
1年間平均:約330万円

なお、同書はロングセラーとして知られます。他の緘黙の本もここまで売れているかどうかは、分かりません。緘黙の本の売上は、公にされない場合がほとんどです。

緘黙団体への寄付額


かんもくネットは、同団体に寄せられた寄付金の額を公開しています。それによると、

2021年6月~2020年7月:54万2,000円
2019年7月~2020年6月:63万7,300円

などとなっています。

蛇足:場面緘黙症Journalサイト運営費



年間3,523円(人件費除く)


結び


こう比較してみると、億の金額で緘黙のテレビドラマが作られるとしたら、これは経済面でも大変なことが分かります。



緘黙の活動の拡大により、お金がかかるようになった

更新日:2019年03月07日(投稿日:2019年03月07日)
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資金支援のアピール相次ぐ


場面緘黙症に関する活動を行なっている方たちが、活動資金の支援についてアピールする場面を、最近何度か目にしました(国内の話です)。要するに、寄付などのアピールです。これまで無償での活動を行なったり、自己負担などのかたちで活動費を賄ったりしてきましたが、それだと限界もあるらしいです。

なぜこのようなアピールが最近相次いでいるかは、私には分かりません。たまたまかもしれません。あるいは、ある一人の方が寄付のアピールを行ったことが、他の方に影響を与えただけなのかもしれません。はたまた、活動されている方たちの経済状況がここにきて余裕が無くなっているのかもしれません。


緘黙の活動の拡大の裏には、費用の拡大もあった


今は、緘黙についての活動を行なおうとすると、お金がかかる時代です。

かつてはそうでもない時代がありました。2000年代前半の、ほとんどインターネットだけが活動の場だった時代です。既に登録してあるプロバイダーや、無料ホームページのサービスを使ってホームページを立ち上げさえすればよかったのです。合わせて用意する掲示板やチャットの類も無料で間に合いました。

その後、活動の規模や幅は広がりました。大きな催しや講演会が行なわれるようになり、オフ会も増えました。書籍が次々に出版され、その本が専門機関に数多く送られました。緘黙経験などを描いたハイレベルのイラストや漫画がネット上で公開されるようになりました。こうした動きは歓迎すべきものでしたが、その一方、お金がかかるようになりました。

緘黙についての活動の拡大は、費用の拡大と背中合わせだったのです。また、お金をかけて、緘黙の活動を拡大してきたとも言えます。


様々な方が、費用を負担してきた


これらの費用は、様々な方が、その一部や全額を負担していたものと思われます。例えば……

○ 活動されている方が自ら負担
○ 便益を受ける側(本を買う方や、催しに参加する方など)が負担
○ そうした活動を催す緘黙団体の会員が、会費などのかたちで間接的に負担
○ 外部の組織が資金援助

一般の方にしても、緘黙についてしっかり追おうとするとお金がかかるようになりました。昔はネットができる環境があれば、あとは数少ない緘黙の本1~3冊程度を買い揃えれば十分すぎるほどでした。それが今日では、毎年のように出版される緘黙関連書の書籍代、さらには緘黙の催しに参加するための交通費など、負担を求められる場面が増えています。

なお、私がネット上での情報発信に拘るのも、このあたりの事情が一つの背景にあります。恥ずかしながら私には資力が乏しいので、追加的なコストが比較的かからないネットに頼らざるを得ないのです(ネットが一番費用対効果が高いと思います)。多額の交通費がかかる緘黙の催しに参加することなど到底できません。

もっとも、緘黙については、本や催しなどがそう多いとも思いません。経済的負担も、他の障害などに比べるとそう大きくはないでしょう。


経済的制約が、活動の制約にもなることも


今後、緘黙についての活動を維持・拡大していくためには、お金がより必要になってくるでしょう。活動を行なう方たちに経済的制約があれば、活動の維持・拡大の制約にもなることも考えられます。

そして今日、その活動を行なう方たちが、一般の方に、資金援助というかたちでさらなる費用の負担をお願いしています。一般の方にしても昔に比べると費用を負担していますが、どうなるのでしょうか。



海外:緘黙のためのクラウドファンディング(後編)

更新日:2015年05月11日(投稿日:2015年05月02日)
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前回の記事「海外:緘黙のためのクラウドファンディング(前編)」の続きです。

インターネットで不特定多数の人々から小口資金を集める「クラウドファンディング」により資金調達を行なう動きが、緘黙関係でも海外で2014年から広まっています。そうした実例を前回に続いて見ていきたいと思います。

資金が集まらなかった例


緘黙の民間治療を受けるための基金?の開設資金


経済的な理由で、緘黙の専門的な民間治療を受けられない当事者のための基金?を開設しようとした方がいます。米国では緘黙に詳しい専門家がいて、緘黙のための民間治療を受けられますが、保険が適用されずに負担が高額になる場合があるのです。

目標額は、60,000米ドル(約710万円)に及びます。目標達成はなりませんでしたが、2人の支援者から計520米ドル(約6万円)が集まりました。プロジェクトの内容と目標額の多さから、その壮大な構想が窺えます。

↓ クラウドファンディング専門サイト Success Synergy Funding へのリンクです。
※ Severe Selective Mutism Anxiety Project
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緘黙の子の治療費


前回の記事の冒頭でご紹介した、緘黙児の集中治療プログラム Confident Kids Camp を受けるための資金を募った方がいます。目標額の2,500米ドル(約30万円)には届きませんでしたが、5人の支援者から合計190米ドル(約2万円)が集まっています。

↓ クラウドファンディング専門サイト GiveForward へのリンクです。
※ Zoe's Confident Kids therapy camp fund
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緘黙理解のための電子書籍を出版するための資金


イタリアの緘黙経験者が、英語でキャンペーンを行ないました。現れた支援者は1人、集まった資金は20ユーロ(約2,700円)でした。

↓ クラウドファンディング専門サイト Indiegogo へのリンクです。
※ Understanding Selective Mutism
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緘黙の子と緘黙支援団体のための資金


米国の例。3歳の時に緘黙の診断を受け、16歳になった現在も声が出ない娘と、米国の緘黙支援団体 Selective Mutism Foundation を支援するための資金です。全く支援者が現れませんでした。

↓ クラウドファンディング専門サイト GiveForward へのリンクです。
※ Help Dominique Find her voice Selective Mutism
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