2021年・緘黙関係ニュースを振り返る

更新日:2021年12月24日(投稿日:2021年12月24日)
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今年一年を、場面緘黙症に関係するニュースで振り返ります。今年で12回目の企画です!干支を一周したことになります。

私が把握したニュースの中から、気になったものを選んで振り返ります。

1月 NHK Eテレ「u&i 」で、架空の緘黙児登場か


1月、NHK Eテレの小学生向け番組「u&i 」で、「おうちではたくさん話せるんだけど、学校で話すのがにがて」な小学生が登場しました。おそらく架空の小学生です。番組ホームページの「関連キーワード」に「緘黙」とあることなどから、緘黙児という設定だったのかもしれません。

この放送回は、その後も再放送されています。


5月 障害者差別解消法の改正案が成立


5月、「障害者差別解消法」(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)の改正案が成立しました。これにより、民間事業者による合理的配慮の提供が「義務」になります。施行日は公布から3年を超えない日とされています。


7月 神奈川で「イグアナの娘」再放送


7月、テレビ神奈川で「イグアナの娘」という90年代のドラマが再放送されました。ドラマの中で、緘黙を経験した人物が、少し出てきたそうです。


8月 パラ聖火ランナーに、緘黙当事者/経験者


8月、東京パラリンピックの聖火ランナーに、緘黙の当事者や経験者が選ばれました。

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から公道での走行はありませんでしたが、代替イベントが行われました。開会式の日には都内で杉之原みずきさんが、別の日には都内で福島県代表の星野千尋さんが参加しています。この方たちについては、メディアで取り上げられています。


8月 緘黙高校生が主人公『半透明の君へ』発売


8月、緘黙の女子高校生が主人公の小説『半透明の君へ』が発売されました。著者は春田モカさんで、スターツ出版文庫から出ています。物語の鍵となる男子高校生が、人の心が読める(心の声が聞こえる)という設定でした。


9月 『臨床家のための場面緘黙改善プログラム』発売


9月、『臨床家のための場面緘黙改善プログラム』が発売されました。著者は長野大学の高木潤野准教授で、学苑社から出ています。研究成果に基づいた「本人との共同作業で行う」プログラムを詳細に解説したものでした。


9月~『古見さんは、コミュ症です。』がドラマ化、アニメ化


9月、オダトモヒトさんの漫画『古見さんは、コミュ症です。』を原作としたドラマが、NHK総合で放送開始されました。10月にはテレビアニメが、テレビ東京ほかで放送開始されました。主人公の古見さんの様子に、緘黙を連想する人もいました。


10月 強制わいせつ罪が問われ、有罪判決


軽度の知的障害と緘黙を併せ持つ女性への強制わいせつ罪が問われた裁判が大阪地方裁判所で行われ、10月、有罪判決が出ました。この裁判についてはNHK総合「ニュース7」などで報道され、その中で、緘黙についても触れられました。

報道によると、被告は、「障害を持っているから警察に言えないのかなと思ったこともあります」などと述べるなど、女性が話せないことを認識した上で犯行に及んだとされています。


10月 滋賀で絵画展


10月、滋賀県日野町で、緘黙があるSANAMIさんという方の絵画展が開催されました。この絵画展は、メディアで繰り返し取り上げられました。


11月 ABEMA NEWSチャンネルで放送


11月、ABEMA NEWSチャンネルで、緘黙と境界知能が取り上げられました。この時の内容は後にYouTubeに投稿され、多くの再生回数を記録しています。


まだまだ、たくさんのニュースが


まだまだ、たくさんのニュースがありました。

1月 『聖教新聞』読者投稿欄に掲載
1月 『話せない私研究』出版記念イベント
2月 『日本海新聞』に掲載
2月 『総合詩誌 PO』180号に掲載
3月 演劇「見てないで降りてこいよ」に、緘黙
3月 演劇「たぬきと狸とタヌキ」に、緘黙
5月 『毎日新聞』長野版に掲載
5月 秋田公立美大卒業者の展覧会に、緘黙経験者
5月 人気ゲーム実況に、緘黙
6月 『漫画家しながらツアーナースしています。』に掲載
6月 『10代の時のつらい経験、私たちはこう乗り越えました』に掲載
6月 『信濃毎日新聞』に、「りんごの会」の活動
6月 『山陰中央新報』に掲載
7月 三原市社協だより第65号に掲載
7月 愛知サマーセミナーに、緘黙
8月 長野大学オープンキャンパスに、緘黙
8月 CBCテレビ「チャント!」に、緘黙
8月 『山陰中央新報』に掲載
8月 東京都人権啓発センター広報誌『TOKYO人権』第91号
9月 島根大学教員免許講習で、6時間にわたる緘黙の講習
9月 第4回公認心理師試験に登場
9月 特殊教育学会の大会で、緘黙
10月 映画「紀州騎士~きしゅうでないと!~」上映開始
11月 『こころの元気+ 』に掲載
11月 東大駒場祭の模擬裁判で緘黙の事例
11月 FMびざんに、徳島の緘黙の会
12月 PCIT-JapanとCARE-Japanの合同研究会
12月 オンライン研修講座
通年 「みいちゃん」メディアで繰り返し取り上げられる





2020年・緘黙関係ニュースを振り返る

更新日:2020年12月24日(投稿日:2020年12月24日)
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今年一年を、場面緘黙症に関係するニュースで振り返りたいと思います。毎年恒例の企画で、今年で11回目です!私が把握したニュースの中から、気になったものを選んで振り返ります。

2月 『かんもくの声』発売


2月10日、入江紗代さん著『かんもくの声』が、学苑社より発売されました。緘黙経験者によるコミックエッセイの出版が続いていた中、久しぶりの文章による本です。著者は当事者活動に携わっており、このためか、本書には緘黙経験だけでなく、緘黙と社会について述べた章がある点も特色でした。


2月 AbemaTVの動画がYouTubeに投稿、再生数大


2018年9月17日に放送されたAbemaTVの場面緘黙症特集の一部内容が、2月25日、YouTubeに投稿されました。これが大変な再生回数で、現在200万回以上を記録しています。


4月~JNNドキュメンタリー


4月より、JNN(TBS系列)のテレビ番組で「声なき声 ~場面緘黙症の女性たち~」と題するドキュメンタリー番組が全国的に放送されました。放送時間は、深夜や早朝です。多くの地域では、「JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス」という番組名でしたが、地域によっては「JNN九州沖縄ドキュメント ムーブ」などとして放送されました。


9月 緘黙のツイートに大反響


9月14日、イギリスのTA(Teaching Assistant)という教育補助員をされている方が、Twitterで場面緘黙症に関する投稿をしたところ、大変な反響がありました。コメント約1,600件、リツイート約6万件、いいね約80万件という反響でした。これはアメリカ大統領のTwitter投稿に匹敵する規模です。


9月 『朝日新聞』朝刊に、高木潤野准教授


9月15日、『朝日新聞』朝刊「ひと」欄に、場面緘黙症に関心を持つ、長野大学の高木潤野准教授を紹介する記事が掲載されました。『朝日新聞』は、『読売新聞』に次いで発行部数が多い新聞です。


11月 ヒカリアメのCD『言葉の羽』発売


11月6日、かんもくアコースティックライブから生まれた音楽ユニット『ヒカリアメ』の初めてとなるCD『言葉の羽』がリリースされました。収録曲は3曲で、初回特典映像も用意されていました。


11月 『話せない私研究』発売


11月20日、モリナガアメさん著『話せない私研究』が合同出版より発売されました。緘黙経験者によるコミックエッセイですが、ある程度話せるようになった後の自分を客観的に観察した、これまでにない本です。


通年 ミスiD2021応募者に、緘黙経験者


講談社が主催するオーディション「ミスiD2021」に、場面緘黙症の経験者が複数応募していたことが明らかになりました。中には、ファイナリストにまで選ばれた方もいらっしゃいます。

今年のミスiDは選考過程が変わり、エントリーした方全員のお名前と「自己紹介PR」が、公式ホームページに掲載されることになりました。エントリーした方の中には「自己紹介PR」に緘黙のことを書いた方もいらっしゃったことから、明らかになりました。


通年 パティシエ「みいちゃん」


場面緘黙症がある中学生パティシエ(3月までは小学生)の「みいちゃん」こと、杉之原みずきさんが大きな注目を集めました。テレビや新聞では、数え切れないぐらい取り上げられました。10月には、杉之原さんのために設計された「みいちゃんのお菓子工房」が、2020年度のグッドデザイン賞金賞に選ばれました。11月には、食のサイト foodionのランキングで、杉之原さんが世界全部門1位になりました。


通年 新型コロナウイルス感染拡大


新型コロナウイルスの感染が拡大し、緘黙関係者にも大きな影響がありました。緘黙児者は休校や自粛生活でかえってストレスが少なかったという報告(かんもくネット)、感覚過敏などでマスクをつけたがらない緘黙児者がいるという報告(SMartセンター、長野大学高木研究室)などがありました。

従来のスモールステップの取り組みができないとして、英語圏では、オンラインを使った取り組みが発信されました。

緘黙関係のイベントは中止になったり、オンラインで開催になったりしたものが少なくありませんでした。


まだまだ、たくさんのニュースが


まだまだ、たくさんのニュースがありました。以前も書きましたが、今年は少なめでした。

1月 ノルウェー放送協会で、緘黙
1月 FM奄美に、かんもく奄美と、かんもくネット代表が出演
1月 平成31年保育士試験(前期)で、緘黙に関する出題でミス
2月 発達協会春のセミナー
2月 中日新聞「元記者の心身カルテ」に掲載
2月 京都新聞に掲載
3月 中日新聞「この人」に入江紗代さん
3月 Pete Paphides氏
3月 Rolling Stone Japanに掲載
3月 山崎ナオコーラ氏、緘黙経験を話す
3月 AKB48のメンバーの口から、緘黙経験?
4月 遠隔支援の研究が、科研費採択
4月 第114回医師国家試験に出題
5月 フィンランドの860事例の研究が発表される
5月 ゲーム「アンリアルライフ」に、「場面緘黙症」
7月 韓国の検索サイトでトレンドに
7月 『少女ファイト』第17巻に、緘黙
8月 「情緒障害『場面緘黙症』に漫画家ならではの対応法をとってみた」
8月 クラウドファンディングに100万円以上
8~9月 テレフォン人生相談に、緘黙
9月 The New York Timesに掲載
9月 特殊教育学会の大会開催
10月 かんもくフォーラム開催
10月 メリーランド州知事公邸、緘黙啓発でライトアップ
10~11月 ブラジルで、有名元サッカー選手のアマラウさんが動画コメント
11月 NeuroClasticに緘黙の記事
11月 テレ東「家、ついて行ってイイですか?」で、緘黙について触れられる
11月 中日新聞「この人」に、「緘黙を抱える3DCG制作者」
12月 Humans of New YorkというSNSアカウント(英語)の経験談に、大反響
12月 『毎日新聞』朝刊に、桂あやめさんの緘黙の話



2010年代・緘黙関係ニュースを振り返る

更新日:2019年12月23日(投稿日:2019年12月23日)
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その年の緘黙ニュースを振り返る」企画を初めて、今年で丸10年です。10周年記念企画として、2010年代の主な場面緘黙症関係ニュースを振り返ります!

ニュースの選択は、例によって私の独断と偏見です。ですが、だいたいその年の代表的なニュースを選んだつもりです。

2010年 Twitterで緘黙に関する投稿が増え始める


Twitterで緘黙に関する投稿が増え始めたのが、概ね2010年頃でした。

当時は、緘黙の子が登場する小説『二人静』が出版されたこともあって、作者の盛田隆二さんが緘黙について投稿してくださる場面もありました(その後も、折に触れて投稿してくださっています)。

それまで、インターネット上の個人の情報発信といえばブログやmixiが中心だったのですが、それがこの頃あたりからか、Twitterに移っていったように思います。今でもTwitterには緘黙に関する投稿は多く、その数月間100件弱あります。保護者よりも、当事者や経験者の投稿が多いです。


2011年 絵本『なっちゃんの声』出版


2011年には、はやしみこ著・金原洋治医学解説・かんもくネット監修『なっちゃんの声-学校で話せない子どもたちの理解のために』(学苑社)が出版されました。絵本形式で、小学校低学年前後の子どもが緘黙を理解するのに役立ちそうな内容でした。

この絵本、好評のようです。主人公のなっちゃんは2013年も、『どうして声が出ないの?-マンガでわかる場面緘黙』に登場しています。


2012年 地方を拠点とした緘黙グループが現れ始める


2012年には、「信州かんもくサポートネットワーク」が誕生しています(後の「信州かんもく相談室」)。また、つぼみの会(場面緘黙親の会関東)ができたのも、この頃らしいです。

それまでは「かんもくネット」や「かんもくの会」といった全国規模の団体が活動していたのですが、この頃から、地方を拠点としたグループが現れ出します。


2013年 テレビ番組「ザ!世界仰天ニュース」で、緘黙の少女が扱われる


2013年には、日本テレビ系のゴールデンタイムの番組「ザ!世界仰天ニュース」で、緘黙が扱われました。「静かな少女の秘密」と題し、緘黙の少女、 カースティ・ヘイズルウッドさん(後のミス・イングランド2013、ミス英国2014)の実話が放送されました。

緘黙がゴールデンタイムのテレビ番組で本格的に取り上げられた例は、当時聞いたことがありませんでした。もしかしたら、初めてのことだったかもしれません。

この頃あたりから、インターネット上では「緘黙」の検索人気度が一気に上昇しています。

◇ Googleトレンド「緘黙」の検索人気度(2004年以降)
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2014年 「放課後カルテ」で、緘黙をテーマとした連載開始


2014年には、講談社の女性漫画誌『BE・LOVE』連載作の医療漫画「放課後カルテ」(日生マユ作)で、緘黙をテーマとした連載が始まりました。

この連載が始まる前、緘黙のお子さんをお持ちの保護者の方がTwitterで、放課後カルテで緘黙を取り上げてもらえないだろうかという内容の投稿をしたそうです。それを作者が見たことが、連載のきっかけだったそうです。

この緘黙編は翌2015年まで5回にわたって連載されました。単行本では第8巻第9巻に掲載されています。その後、作者の日生マユさんや担当編集者さん、編集長さんが講師をされた公開講座「マンガ『放課後カルテ』から知る子どもの場面かん黙症」(於:白梅学園大学)が開かれています。


2015年 『私はかんもくガール』出版


2015年には、らせんゆむ著・かんもくネット解説『私はかんもくガール-しゃべりたいのにしゃべれない場面緘黙症のなんかおかしな日常』(合同出版)が出版されました。

緘黙をマンガ形式で描く試みは以前からありましたが、特にこの『私はかんもくガール』出版以降、経験者や当事者の中に、マンガやコミックエッセイ形式で経験談を語ったり、啓発活動を行なったりする人が何人も現れるようになります。


2016年 障害者差別解消法が施行


2016年には、障害者差別解消法が施行されました。これにより、合理的配慮が義務付けられるようになりました(民間事業者は努力義務、国・地方公共団体等は法的義務)。

また、それまで保護者は学校に配慮や支援のお願いにあがるというかたちをとっていたのですが、同法の施行により、保護者は支援チームの一員であると位置づけられるようになりました。


2017年 テレビ番組「ザ!世界仰天ニュース」で、また緘黙が扱われる


2017年には、「ザ!世界仰天ニュース」の「子供の心に潜む闇スペシャル」で、再び緘黙が大きく扱われました。今度は「無口な少女の心の秘密」と題するもので、入江紗代さんの緘黙経験を軸に、児童精神科医の新居慎一郎氏の解説を挟むものだったようです。

放送に先立ち、次回予告で「場面緘黙症」のテロップが出たそうです。放送当日には、新聞のテレビ欄にも「場面かん黙」と記されていました。


2018年 かんもく自助グループ「言の葉の会」設立


2018年には、緘黙の当事者、経験者運営による自助グループ「言の葉の会」が設立されました。全国規模の緘黙の自助グループとしては、もしかした初めてかもしれません。

同会はこれまで、全国各地で交流会を開催したり、セミナーを開いたりしています。


2019年 フェルミ研究所が、緘黙の動画を公開


2019年には、人気YouTubeチャンネルの「フェルミ研究所」が、緘黙の漫画をYouTubeやTwitterで公開しました。これには驚異的な反響がありました。現在、260万回を超える再生数を記録しています。

↓ その動画です。YouTubeへのリンク。
◇ 【漫画】場面緘黙症になるとどんな生活になるのか?【マンガ動画】
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