ベルギーでも緘黙キャンプが開催

更新日:2019年01月08日(投稿日:2019年01月08日)
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フランドルの緘黙団体が主催


場面緘黙症のサマーキャンプが、ベルギーで初開催されるそうです。フランドル(フランダース)地方に緘黙の団体があり、ここが主催します。

↓ フランドルの緘黙団体Selectief mutisme Vlaanderenホームページへのリンクです。
◇ Inschrijven voor hét Zomerkamp 2019: voor kinderen en tieners met praatangst
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上のページによると、緘黙がある子どもや10代の若者の中にはキャンプに参加できたり、参加したいと思う人がほとんどいないそうです(ベルギーはサマーキャンプが盛んなのでしょうか)。このことから、緘黙があっても楽しめるキャンプの機会を提供しようということのようです。

また、緘黙児者が自信をつけたり、緘黙を改善するための様々な活動(リラクゼーション、ゲーム、クラフト、dappere daden?、 呼吸、発話練習)をしたりもするようです。

キャンプとあってその日程は数日間に及び、7月1日(月曜日)午後4時~7月5日(金曜日)午前10時まで予定されています。4泊5日の計算です。子供は親同伴で、10代の場合は親を同伴するか選択できます。親同士が経験談を交換できる機会も設けられるようです。

今回は初の試みなので小規模の人数で行い、翌年からは人数を増やして行なう予定です。参加者は応募した後、専門家のチームが参加の是非を判断します。


イタリアやアメリカでも行なわれています


緘黙のサマーキャンプといえば、イタリアではVacanzina、アメリカではCommuniCampと題するキャンプがあることを以前お話ししました。今回のベルギーのキャンプも、イタリアとアメリカのキャンプから着想を得たそうです。

◇ イタリアの緘黙治療キャンプVacanzina
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◇ 世界6カ国から参加者が集った緘黙キャンプCommuniCamp
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なお、先日「緘黙関連ニュース」でお伝えしたように、アメリカではまた新たなサマーキャンプの計画があるそうです。

◇ 米国で新たな緘黙キャンプの計画
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また、アメリカなど複数の国で緘黙の集中プログラムが行なわれていますが(ニューヨークChild Mind InsituteのBrave Buddiesなど)、それと今回のキャンプが同類と見てよいかは分かりません。どちらにしろ、緘黙児者を多数集め、連続的に長期にわたって症状の改善を図る試みである点は同様で、こうした試みが世界でさらに広まっていると見ることもできるかもしれません。

私個人の経験をお話しすると、学校行事で合宿をした経験があります。当時は学校で最も話せない時期でしたが、この種の行事はすこぶる苦手でした。合宿は緘黙?(未診断)の私のみを対象としたものでは当然なかったので、私には非常に高い活動能力が要求されたのです。合宿の狙いは「生きる力」を育むとか、そんなところだったのでしょうが、私にはその力がどの程度育めたか疑問でした。それを思うと、緘黙児者でも楽しめるキャンプには興味を引かれます。

「ベルギー子育て奮闘記」というリポートによると、ベルギーの夏休みは7月初旬から8月末までの2か月間あるそうです。それだけ長いと、緘黙児者とその親にとっても、夏休みの過ごし方は考えどころだろうと思います。このサマーキャンプは、その一つの答えを示すことができるのでしょうか。注目されます。

↓ Child Research Netホームページへのリンクです。
◇ 【ベルギー子育て奮闘記】 第10回 夏休みの過ごし方~ベルギーのサマースクール~ - 論文・レポート
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※ 私はオランダ語のページを英語に機械翻訳して読んでいます。私の解釈には不正確な部分もあるかもしれません。



シアトル子ども病院のグループプログラム

更新日:2018年10月07日(投稿日:2018年10月07日)
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シアトル子ども病院(Seattle Children’s Hospital)のホームページに9月7日、場面緘黙症の記事が掲載されました。緘黙がある6歳の少女と、その母親の記事です。

↓ その記事です。
◇ April Discovers Power in Her Voice Through Selective Mutism Program
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8週間のグループプログラム


記事の後段に、病院によるグループプログラムの実践が書かれてあり、興味深く読みました。上の記事などから簡単にまとめると、次のような内容です。

○ 8週間のプログラムで、毎週90分実施
○ 保護者グループと子どもグループに分かれる(第1回は保護者グループのみ)
○ 保護者グループは、緘黙の原因、維持要因、緘黙の負の連鎖を破るための戦略を学ぶ
○ 子どもグループは、セラピストや他のメンバーと、スモールステップで発話(ただし、発話練習ばかりするわけではない)
○ 毎週最後に、保護者と子どもが、発話への暴露(エクスポージャー)の練習を、臨床家の助けのもと行なう
○ 実施場所は、"During the group, your child will practice speaking around the hospital..." とあることから、病院やその周辺か?

↓ 記事にもリンクがあった、シアトルの緘黙グループの概要。PDF(39.6KB)。
◇ Selective Mutism Group
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※ PDFを閲覧するには Adobe Reader が必要です。こちら新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

コメント


私は専門家ではないのでよく分からないのですが、保護者と緘黙児に別々のプログラムを行なう点は、アメリカに多い集中プログラムと共通しているように思います。緘黙児にスモールステップの取り組みを実践するのみならず、保護者への教育も行なうわけです。

保護者への教育の内容は詳しくは書かれてありませんが、上の資料やアメリカの傾向から推察するに、緘黙の概要に加えて、子どもの緘黙を維持強化させない接し方、スモールステップの取り組み方などが考えられます。病院によるプログラムが終了しても、次につなげるための教育です。

例えば、以下は全て一定の条件での話ですが、緘黙児が質問を受けた時に、親が代わりに答えてはならないとか(発話せずに済む→不安が減る→緘黙行動が強化される)、緘黙児への問いかけは発話を要する「○○ですか、それとも××ですか」型で行なうとか、返事には5秒待つとか、そうしたことを教えていそうです。あくまで推測ですが。

↓ 例えばこの動画は、最近の北米に特徴的な内容です。カナダの慈善団体 Anxiety BC の動画。
◇ Understanding and Managing Selective Mutism
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保護者への教育はグループ形式で行なうことから、同じ悩みを持つ保護者同士の出会いの場にもなっているようです。

あと、子どもへのスモールステップの取り組みですが、学校園でも模擬教室でもない場で行う点が少し気になります。病院での発話を、学校や幼稚園にどうつなげるかが、プログラム終了後のポイントになりそうです。

「合唱団からソロへ」という名のスモールステップ

更新日:2018年09月27日(投稿日:2018年09月27日)
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より多くの人が集まる場で、少しずつ発話へ


イギリスで場面緘黙症と言えば、The Selective Mutism Resource Manualという定番の本があります。

2016年に出版された第2版では、新しいスモールステップの取り組み方が示されています。以前にもお話したことがありますが、「初版の連続的アプローチはあまりに直線的な枠組みであったことが、初版から15年の間に明らかになった」 (Over the next 15 years it became clear that this sequential approach was too linear a framework.)(46ページ)として、新たに円形のモデル(circular model)を打ち出しています。

それが、下の図です。クリックで拡大しますが、新しいウィンドウが開きます。

図 A multidimensional model of confident talking(420ページより。47ページのものと同一)

円形のモデル

このうち、右上と左下については、より多くの人が集まる場で少しずつ発話に持っていこうとするものです。

右上:「公共の場での発話」(Talking in public places)
公共の場で発話を見聞きされることへの耐性をつけること。最初は誰もいない場面から、より多くの人のそばで発話ができるよう取り組みます。主に家庭や地域社会での話です。

左下:「集団参加」(Group participation)
一対一の会話から、より多くの人が集まるグループ活動で発話できるようになること。主に学校での話です。


その逆「合唱団からソロへ」


ところが、これとは逆とも思える方法が提唱されていることを知りました。ポーランドの教育雑誌Wychowawca2018年9月号の記事の中で触れられています。

↓ その記事を転載したもの。緘黙児の母親で、ポーランドの緘黙支援団体Polskie Towarzystwo Mutyzmu Wybiórczego会員へのインタビュー記事です。同団体ホームページへのリンク。
◇ Wywiad » Mutyzm wybiórczy | diagnoza i skuteczna terapia
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"od chóru do solo" という名の方法です。Google 機械翻訳の助けを借りて訳を考えると「合唱団からソロへ」のような訳ではないかと思うのですが、自信がありません。これはポーランドの言語聴覚士Maria Bystrzanowska氏が、2018年に出した著書 Mutyzm wybiorczyの中で明らかにしたものだそうです。本来ならこの本を読んでから述べるべきなのでしょうが、ここでは上の記事をもとにお話します。

上の記事によると、まずは大人数で一緒に詩を読むといった発話から初めます。そして、徐々に人数を減らしていくのだそうです。よく読み取れなかったのですが、緘黙がある子が、自由にコミュニケーションをとれるようになるまで続けると書かれてあるようにもとれます。

私は専門家ではないのでよく分からないのですが、確かに、大勢の中声を発しても目立たないので、緘黙児者にとっては最初の一歩としては比較的挑戦しやすいかもしれません。うまい方法を考えるものだと思いました。

一見して、徐々に人を増やしていくイギリスの本と正反対のことをしているようですが、相反するものではないと思います。大人数と一緒に発話⇒少人数と発話⇒大人数の前で発話といったように、イギリスの方法と組み合わせることもできるかもしれません。