『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』

更新日:2024年04月03日(投稿日:2024年04月03日)
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医療漫画が緘黙を取り上げる


『月刊コミックゼオン』(コアコミックス)などで連載中の医療漫画『ハネチンとブッキーのお子さま診療録』の第21~22話で、場面緘黙症が取り上げられました。「場面緘黙(ばめんかんもく)症/緘動(かんどう)症」と題する話です。

作者は佐原ミズさん。テレビドラマ化した『マイガール』や、実写映画化した『尾かしら付き。』などで知られます。また、医療監修は北岡寛己さん。東京大学医学部附属病院小児科の助教に同名の方がいらっしゃり、この方のことと思われます。

本作は、どうやら掲載媒体によって最新話が異なるようです(間違っていたら、ごめんなさい)。緘黙の話が最新話として公開された媒体は、「マンガほっと」というアプリまたはウェブサイトです。いずれ他の媒体や単行本にも掲載されるものと思われます。

↓ マンガほっとWEBへのリンクです。
◇ ハネチンとブッキーのお子さま診療録|マンガほっとWEB
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簡単な内容と感想


私はこのお話を読みました(無料アカウント登録で読みました)。せっかくですので、簡単な内容の報告と感想を書きます。

まず、作品の概要ですが、前編が12ページ(扉ページ含む)、後編が13ページの分量でした。幼稚園児の親の視点から描かれた話です。しかし、緘黙児の親ではなく、別の親の視点から描かれています。これは緘黙を描いたフィクションとしては新しいです。

緘黙だけでなく、緘動も合せて描かれており、私としては嬉しいです。緘黙の概説もその通りだと思います。ただ、今作で描かれている緘黙児は、かなりマイルドに描かれています。緘黙というともっとひどくて、幼稚園や学校等で同級生や先生と話せなくなるのが一般的だろうと思います(人にもよりますが)。

一般に、物語は、マイナスからプラスに転じるハッピーエンドが一つの「型」です。緘黙を題材にした話だと、やはり発話へのステップが前進したり、話せるようになったりする場合があります。過去に緘黙を取り上げた医療漫画『放課後カルテ』や『リエゾン』では、そうでした。今回はそれとは異なるエンディングが描かれています。読後感はよいです。

少し前まで、インターネットで「緘黙」と検索しようとすると、検索候補に「緘黙 ずるい」が出てきました。端からみて、そう感じてしまう人もいるのでしょう。今作を読んで、そのことを思い起こしました。緘黙への理解が進むとよいです。



映画『愛のゆくえ』の主人公

更新日:2024年03月09日(投稿日:2024年03月09日)
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3月1日に公開された映画『愛のゆくえ』の主人公が、場面緘黙症という設定だそうです。宮嶋風花監督の半自伝的な物語です。

ただし、映画は緘黙を主題としたものではありません。また、主人公の緘黙については、劇中で紹介されない「裏設定」という扱いだそうです。とはいえ、主人公には台詞がないそうですし、緘黙らしさは出しているものと思われます。

↓ 情報源その1。「シネマカフェ」へのリンクです。
◇ 【特集】『愛のゆくえ』 長澤樹×寒竹ゆり監督(「First Love 初恋」)スペシャル対談
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↓ 情報源その2。「北海道新聞デジタル」へのリンクです。全文を読むには、会員登録が必要です。
◇ 残された子の愛のゆくえ 札幌出身・宮嶋監督 商業デビュー作あす公開 「過去と向き合いきった」
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主演は長澤樹さん。また、窪塚愛流さん、堀部圭亮さん、田中麗奈さんほか、豪華俳優が出演します。上映については、3月1日に渋谷シネクイントで公開されたのを皮切りに、全国各地で順次上映されます。札幌、横浜、福岡では既に上映が始まっています。

本作は、宮嶋風花監督の商業デビュー作です。若い方ですので、緘黙に限らず、今後のご活躍に期待したいです。

詳しい情報をお知りになりたいは、映画公式サイトをご覧ください。公式サイトでは、予告編を見ることもできます。




続・コロナ禍で緘黙児者が増えてる?

更新日:2023年12月15日(投稿日:2023年12月15日)
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豪州の状況


イギリスの高級紙 The Guardian が12月9日(土曜日)、場面緘黙症の記事を掲載しました。電子版で確認しています。なお、オーストラリアの緘黙事情について書いた記事です。

↓ その記事へのリンクです。
◇ ‘That’s not Maebel, she’s so fun’: the rising number of children who are afraid to talk
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緘黙の相談受診が増えたというオーストラリアの専門家の声が、複数紹介されています。この記事では特に、パンデミックの影響を強調しています。

パンデミック下で緘黙児が増えたという認識が書かれた記事は、過去にもありました。今回の記事は、その中でも踏み込んだ内容です。

例えば、緘黙の相談受診が増えたのは、緘黙児が増えたからなのか、それとも不安症の認知度が向上したから(つまり、パンデミックの影響ではない)なのか分からないという専門家の声まで紹介されています。なお、後者についてはおそらく、パンデミック下で不安症が増えていることが話題になっていて、それにより緘黙の認知度も向上したのではということかなと思います。


豪州以外でも


12月3日(日曜日)には、香港の有力英字紙 South China Morning Post が緘黙の記事を掲載したのですが(電子版で確認)、ここでもパンデミック下で場面緘黙症が増えたという認識が示されている箇所があります。香港選擇性緘默症協會の創設者で、スピーチセラピストのWincy Cheng Wing-yin氏によるものです。

↓ その記事へのリンクです。
◇ Speech therapist who grew up with selective mutism shares about challenges faced by children with this social phobia
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過去には、アメリカでも同様の認識を示した専門家がいました。

↓ その時のブログ記事へのリンクです。
◇ コロナ禍で緘黙児者が増えてる?(米)
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パンデミックの影響で緘黙が増えたと考える専門家が、このように複数いるようです。ただ、これが少数意見なのか多数意見なのかは分かりません。有病率の推移を厳密に調べたわけでもないので、しっかりした根拠というよりは、状況証拠のようなものが少し積み上がっているような印象です。