続・コロナ禍で緘黙児者が増えてる?

更新日:2023年12月15日(投稿日:2023年12月15日)
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豪州の状況


イギリスの高級紙 The Guardian が12月9日(土曜日)、場面緘黙症の記事を掲載しました。電子版で確認しています。なお、オーストラリアの緘黙事情について書いた記事です。

↓ その記事へのリンクです。
◇ ‘That’s not Maebel, she’s so fun’: the rising number of children who are afraid to talk
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緘黙の相談受診が増えたというオーストラリアの専門家の声が、複数紹介されています。この記事では特に、パンデミックの影響を強調しています。

パンデミック下で緘黙児が増えたという認識が書かれた記事は、過去にもありました。今回の記事は、その中でも踏み込んだ内容です。

例えば、緘黙の相談受診が増えたのは、緘黙児が増えたからなのか、それとも不安症の認知度が向上したから(つまり、パンデミックの影響ではない)なのか分からないという専門家の声まで紹介されています。なお、後者についてはおそらく、パンデミック下で不安症が増えていることが話題になっていて、それにより緘黙の認知度も向上したのではということかなと思います。


豪州以外でも


12月3日(日曜日)には、香港の有力英字紙 South China Morning Post が緘黙の記事を掲載したのですが(電子版で確認)、ここでもパンデミック下で場面緘黙症が増えたという認識が示されている箇所があります。香港選擇性緘默症協會の創設者で、スピーチセラピストのWincy Cheng Wing-yin氏によるものです。

↓ その記事へのリンクです。
◇ Speech therapist who grew up with selective mutism shares about challenges faced by children with this social phobia
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過去には、アメリカでも同様の認識を示した専門家がいました。

↓ その時のブログ記事へのリンクです。
◇ コロナ禍で緘黙児者が増えてる?(米)
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パンデミックの影響で緘黙が増えたと考える専門家が、このように複数いるようです。ただ、これが少数意見なのか多数意見なのかは分かりません。有病率の推移を厳密に調べたわけでもないので、しっかりした根拠というよりは、状況証拠のようなものが少し積み上がっているような印象です。



NHK「おはよう日本」に、緘黙の画家

更新日:2023年09月04日(投稿日:2023年09月04日)
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全国放送


9月4日(月曜日)にNHK総合テレビで放送された「おはよう日本」で、場面緘黙症に関する内容が全国放送されました。

↓ 情報源。NHKウェブサイト。「場面かん黙」絵で伝えるわたしの心とあります。なお、NHKプラスをご利用の方は、このページから見逃し配信へのリンクに飛ぶことができます。
◇ 台風11号・12号 最新情報 - NHK NEWS おはよう日本 - NHK
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↓ 放送内容のダイジェスト動画。30秒。おはよう日本の公式X(旧Twitter)アカウントへのリンクです。
◇ NHK おはよう日本 公式
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放送内容


私はこの放送を見たので、ここでその内容のご報告をしたいと思います。

時間帯は7時9分頃からで、およそ10分間の放送でした。内容は、以下の通りです。

1 緘黙の簡単な説明から始まる
2 続いて、滋賀県在住で、緘黙がある画家・さなみさんのお話
3 最後に、緘黙の人にどう接すればよいか簡単な説明

2番目のさなみさんのお話がメインでした。このため、緘黙のことよりも、絵画に関する話の方が時間としては長かったです。

ただ、絵画の話の最中にも、テレビ画面右上に「話せなくても伝えたい『場面かん黙』の画家」(うろ覚えで間違っているかもしれません)という今回の特集のテーマが常時出ていまして、「場面かん黙」という言葉が常時強調されているかたちにはなっていました。

なお、NHKウェブサイトには、さなみさんのことを取り上げた以下のページがありますが、それとは内容がやや異なりました。

↓ そのページへのリンクです。
◇ しゃべりたくても しゃべれない 「場面かん黙」はわたしの一部 | NHK | WEB特集
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『リエゾン』緘黙編・最終話

更新日:2023年08月24日(投稿日:2023年08月24日)
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『モーニング』連載中の医療漫画


週刊漫画雑誌『モーニング』(講談社)連載中の医療漫画「リエゾン-こどものこころ診療所-」で、場面緘黙症の話が連載されてきました。

その最新話が8月24日(木曜日)に出ました。緘黙編の第5話で、今週分も20ページの内容です。今回が、緘黙編の最終回です。

この作品は、ネット上で単話購入することもできます。また、一部の話は無料公開されています。

↓ このページで単話購入できます。講談社のマンガWEB「コミックDAYS」というウェブサイトへのリンクです。
◇ リエゾン ―こどものこころ診療所― - ヨンチャン/竹村優作 / #132 場面緘黙⑤ | コミックDAYS
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↓ こちらでも単話購入できます。講談社が運営する「マガポケ」というウェブサイトへのリンクです。
◇ リエゾン ーこどものこころ診療所ー - 原作・漫画/ヨンチャン 原作/竹村優作 / 【#132】場面緘黙(かんもく)⑤ | マガポケ
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緘黙をフィクションで取り上げるとすると、やはり最後は話せるようになってめでたしめでたしという終わり方がすっきりするでしょう。しかし、一般に緘黙は短期間で治らないことが多いです。このあたり、どうストーリーを展開し、どのような結末に持って行くかは、私がこれまで緘黙を扱ったフィクション作品に触れる際、注目してきたところです。その点、今回の描き方は納得できるものでした(偉そうに、すみません)。良い意味であっさりした最後の展開も、爽やかな読後感につながっています。

作品全体として、作者が緘黙のことをよく勉強していることが窺われ、好感が持てる内容でした。また、もう一つの大きなテーマを絡めて描かれたことにより、緘黙を扱った既存のフィクション作品にはない独自性も感じました。

なお、今作では緘黙もしっかり扱われているのですが、どちらかと言えば、もう一つの大きなテーマの方がメインかもしれません。また、保護者に重きを置いていることや、作品全体が児童精神科を舞台にしていることから、学校による緘黙への対応のあり方については言及が少ないです。「緘黙」に興味を引かれてこの話を読むことを検討している方は、この点留意するとよいかもしれません。

最後に、緘黙を取り上げて頂けたことには感謝です。


「リエゾン」とは


「リエゾン-こどものこころ診療所-」は、児童精神科医を描いた作品。作者は、ヨンチャン (原作・漫画)と竹村優作 (原作)さん。2020年3月5日の『モーニング』14号で連載が始まりました。今回の緘黙の話(最新話)は第132話です。単行本は14巻まで出ています。

人気漫画らしく、テレビ朝日系で8話分だけドラマ化されたこともあります(午後11時台、2023年1月20日~3月10日)。

なお、2014年には、「放課後カルテ」という医療漫画で緘黙が取り上げられたことがあります。こちらも講談社の漫画でした。緘黙の話は単行本第8~9巻に掲載されています。