狛江市議会で、緘黙について踏み込んだ議論

更新日:2019年06月01日(投稿日:2019年06月01日)
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東京都の狛江(こまえ)市議会で、場面緘黙症に関して、やや踏み込んだ議論があったことを知りました。

平成30年(2018年)3月2日に開催された、平成30年第1回定例会(第3号)でのことです。山本暁子議員(狛江・生活者ネットワーク)と、平林浩一教育部長の質疑答弁が記録されています。

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山本議員の質問内容は、「ディスレクシアや場面緘黙 学びたい気持ちを支える体制を」と題するものです。なお、ディスレクシアとは、知的に遅れがないにも関わらず、読み書きに困難を抱える障害です。

緘黙については、「緘動」も含めた基本的な症状の説明、授業での対応などを質しています。

注目したいのは、今後導入されるアクティブラーニング、英語におけるスピーキング、さらには笑育(わらいく)を重視した授業などでの配慮について要望も行なっている点です。

このうち、笑育とは、狛江市ホームページによると、「松竹芸能株式会社の協力で漫才のネタ作りや発表を通して、想像力・発想力を育み、表現力の育成を図る」事業だそうです。アクティブラーニングや英語とは異なり、一部の学校で行なわれている事業で、狛江市では平成30年5月から始まっています。

↓ 「笑育」が解説されています。
◇ 笑育 |松竹芸能株式会社
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話せない緘黙の児童生徒への配慮となると、やはり話し言葉以外のコミュニケーション手段の保障が考えられる方法の一つなのでしょうか、議会でもそうした案が出ています。緘黙児者も様々で、文字による交流ができる場合もあれば、それもできない場合もあり、答えは一つではないでしょう。いずれにしても、これは大事なテーマで、よく取り上げられたと思います。


言友会が大学入学共通テストで要望書、緘黙も

更新日:2019年05月20日(投稿日:2019年05月20日)
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吃音がある人たちの当事者団体が


吃音がある人たちの当事者団体である「全国言友会連絡協議会」が、文部科学省に対して、「大学入学共通テスト」に関する要望書を提出していたことが明らかになりました。

これは、吃音がある高校生が、大学進学において不利な扱いを受けないための対応の検討を求めるものです。

併せて提出された意見書のうち、菊池良和医師が著したものは、場面緘黙症についても触れています。

↓ 全国言友会連絡協議会ホームページへのリンクです。
◇ 文部科学省に対する大学入学共通テストに関する要望書の提出について
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背景


「大学入学共通テスト」は、従来の大学入試センター試験に代わるものです。2020年度から実施されます。

この新しい共通テストのもとでの英語試験では、これまでの「読む」「聴く」技能に加えて、「話す」「書く」技能も評価されます。この評価を行なうため、各大学には、民間検定試験の活用が認められることになりました。既に多くの国立大学が、民間検定試験を何らかのかたちで活用する方針を示しています。

↓ 2019年3月13現在の情報。『日本経済新聞』電子版へのリンクです。
◇ 英語民間試験、国立大72校が活用 2校は使わず
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「話す」ことに障害がある受験生には、英語を話す能力の評価について合理的配慮が求められます。ですが、民間検定試験のうち、ベネッセの「GTEC」は、吃音者に無配慮だったそうです。

↓ 「大学ジャーナル」へのリンクです。
◇ ベネッセの英語民間試験、吃音者に無配慮と対応を要請
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下記の朝日新聞デジタルの記事によると、GTECは英検とともに高校生に馴染みがあり、受験者が集中すると予想されているそうです。先の要望書でも、「このままでは『共通テストを受けるならば、GTECの成績を使う』ということが、一般的になってしまう可能性があります」と述べられています。

↓ 朝日新聞デジタルへのリンクです。
◇ 朝日新聞デジタル 共通テスト、英語民間試験2強が概要 受験者殺到対策も(2019年5月20日)
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このため、全国言友会連絡協議会が要望書を提出しました。

意見書の中で触れられている通り、これは緘黙がある大学受験志望者にとっても大きな問題です。緘黙について触れていただけたのは本当にありがたいです。





台湾の緘黙団体、大学入試で柔軟な対応求める

更新日:2019年05月16日(投稿日:2019年05月16日)
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公開書簡、メディアで報じられる


台湾の場面緘黙症団体「台灣選擇性緘默症協會」が、大学入試の際、緘黙がある受験生に対して柔軟な対応をとるよう求める公開書簡を、大学に向けて書いたそうです。台湾の有力紙『自由時報』が報じています。

この公開書簡が公表されたのは「母の日」の前日です。台灣選擇性緘默症協會には、緘黙児者の母親も入会しています。

↓ その公開書簡の内容。台灣選擇性緘默症協會ブログへのリンクです。
◇ 選緘考生家長致大學特招中心的一封信
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↓ 報道。自由時報電子版へのリンクです。
◇ 選擇性緘默症考生家長給大學一封信 盼給予彈性
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↓ 報道の英訳。台灣選擇性緘默症協會ブログへのリンクです。
◇ Parents of Students with Selective Mutism Wrote a Letter to Universities, Hoping for Flexibility in Admission
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2017年の高校入試での配慮、メディアで大きく報じられる


この動きの一つの背景には、2017年5月に、高校進学を希望する中学3年生を対象とした学力判定試験「國中教育會考(國中會考)」で起きた、ある出来事があります。この年の試験で、小皮さん(仮名)という緘黙がある生徒が、別会場での受験という配慮を受けたのです。慣れない会場での試験だと解答ができないためです。これにより、小皮さんはパニックも無く、高得点をとることができました。

小皮さんの親は1年以上前から、小皮さんが慣れ親しんだ環境で受験できるよう努力を重ねてきたそうです。指定された試験会場も試験前日まで二転三転するなど、スムーズに事は運びませんでした。親御さんは、台灣選擇性緘默症協會とともに声明を出しています。

そして、この出来事は現地のメディアで大きく取り上げられました。以下のリンクは、当時のニュース記事です。いずれも、台湾を代表する新聞の電子版です。

↓ 自由時報。
◇ 會考罕例!「怕生」考生 改回母校考試
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↓ 中国時報。
◇ 難適應陌生地方 考生家長成立選擇性緘默症協會
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↓ 聯合報。
◇ 選擇性緘默症考生3換考場 家長:剝奪特殊生機會
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配慮への要望に一歩踏み込む


今回のように団体が大学全般に要望を示すとは、踏み込んだことをするものだと思います。親が、受験予定校に個別に配慮を要望するというのはあるかもしれませんが、今回は団体として大学全体に対して行動を起こしています。

最後に、台灣選擇性緘默症協會の黃晶晶理事長は次のように述べています。

私たち特別な支援を要する子どもを持つ母親が心配するのは、試験の結果が良いか悪いかではありません。試験を受けられるかどうかを心配するのです。

特殊孩子的媽媽擔心的不是「考得好不好」或「有沒有鑑別度」的問題,而是「能不能考」、「考上後能不能念」的問題