絵本『やましたくんはしゃべらない』が発売されます

更新日:2018年11月12日(投稿日:2018年11月07日)
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『やましたくんはしゃべらない』という自伝的絵本が発売予定です。学校で一度も喋ったことがない少年に焦点を当てた話のようです。

この絵本を担当した編集者は「緘黙(場面緘黙になるのかな?)でも自然に接するクラスメイトたちが素敵」とTwitterでコメントされています。もしかすると、緘黙が描かれているのでしょうか。

この度、出版社によるプロモーション動画が公開されました。

↓ 35秒の動画です。


※ 動画をYouTubeで見る
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本の基本情報


○ 文:山下賢二
○ 絵:中田いくみ
○ 書名:やましたくんはしゃべらない
○ 出版社:岩崎書店
○ 発売予定日:2018年11月10日
○ 備考:「こんな子きらいかな?」シリーズ3作目


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この本は、山下賢二さんの自伝的エッセイ『ガケ書房の頃』(夏葉社)の一つのエピソードを絵本化したものだそうです。「初めて人前で話したこと」というエピソードです。このエピソードは、岩崎書店ホームページでPDF形式で公開されています。

◇ 岩崎書店ホームページ内の該当ページ
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著者の山下賢二さんは京都市生まれ。現在、京都市で「ホホホ座」(旧ガケ書房)という書店?を開いていらっしゃいます。個性的なお店なようで、インターネット上にはインタビュー記事も存在します。

◇ 本を仕事にする、でも本に頼らない。「ガケ書房」改め「ホホホ座」山下賢二さんに聞く、もっと自由に“本を商う”方法
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絵を担当する中田いくみさんは、画家や漫画家などのお仕事をなさっていて、本も出されています。現在、『ヤングエースUP』において、「つくも神ポンポン」を連載中です。

◇ つくも神ポンポン
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※ このブログ冒頭の画像は、mitsumineさんという方が描かれたものです。中田いくみさんの絵ではありません。




新しい本『イラストでわかる子どもの場面緘黙サポートガイド』

更新日:2018年11月03日(投稿日:2018年11月03日)
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場面緘黙症の新しい本が発売されることが明らかになりました。

本の基本情報


○ 著者:金原洋治・高木潤野
○ 書名:イラストでわかる子どもの場面緘黙サポートガイド- アセスメントと早期対応のための50の指針-
○ 出版社:合同出版
○ 発売予定日:2018年12月25日


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↓ こちらは、「版元ドットコム」というサイトへのリンク。目次があります。
◇ イラストでわかる子どもの場面緘黙サポートガイド
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著者の金原洋治と高木潤野氏は、それぞれ小児科医と大学准教授で、緘黙について実績がある方です。

「イラストでわかる」と書名にありますが、そのイラストをどなたが担当されるかは、現在のところ明らかにされていません。

出版社の合同出版は、これまで緘黙の本を2冊出版しています。『私はかんもくガール』(2015年)と『かんもくって何なの!?』(2017年)と、いずれもコミックエッセイでした。ですが、同社はコミックエッセイを専門とする出版社というわけでは全くなく、専門家による発達障害の本なども出しています。

合同出版は、緘黙のコミックエッセイを出版した後、さらにそれを電子書籍化しています。今回の本については、電子書籍化の情報は今のところありません。


「イラストでわかる」「50の指針」が本書の特徴か


目次だけを見る限り、他者から出ている類書と内容が重複する部分もあるようにも見えます。そんな中、「イラストでわかる」という内容と、特に「50の指針」が、今回の本の特徴だろうかとも思えます。ですが、内容を見てみないとはっきり分かりません。出版されたら読んでみようと思います。

ただ、発売予定日が12月25日というのが気になります。この年の瀬にネットで予約注文すると、配送が大変そうです。私の場合急ぐ必要はないので、年が明けて、ある程度落ち着いた時期になってから、Amazon.co.jpで買うかもしれません。

なお、今年出版された緘黙の本としては、他に『場面緘黙の子どもの治療マニュアル-統合的行動アプローチ-』があります。



『場面緘黙の子どもの治療マニュアル』読みました

更新日:2018年09月30日(投稿日:2018年09月30日)
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新しい翻訳書『場面緘黙の子どもの治療マニュアル:統合的行動アプローチ』を読み終えました。この本について改めて簡単にまとめてみたいと思います。

本の基本情報


○ 書名:場面緘黙の子どもの治療マニュアル:統合的行動アプローチ
○ 原書名:Treatment for Children with Selective Mutism: An Integrative Behavioral Approach
○ 著者:R. Lindsey Bergman(R・リンジー・バーグマン)
○ 監訳:園山繁樹
○ 発行日:2018年7月20日
○ 出版社:二瓶社

著者のバーグマン氏は、Selective Mutism Questionnaire(場面緘黙質問票)を開発したり、数多く引用される緘黙の論文を複数著したりと、この分野で業績を挙げてきた方です。緘黙でこれだけの業績を挙げた専門家は、日本にはいません。原書は、2012年にオックスフォード大学出版局より出ています。

翻訳は7人の分担で、そのうち6人は、筑波大学大学院人間総合科学研究科障害科学専攻(博士後期課程)在学中の学生です。監訳者が指導する学生だそうです。もう一人は、千葉経済大学短期大学講師の雨貝太郎氏で、この方も筑波大と関わりがある方です。

二瓶社が、緘黙を主題とした本を出版したのは今回が初めてです。


本の内容


この本はセラピストを対象に、緘黙がある子どもに対する、いわゆるスモールステップの治療マニュアルを示したものです。この治療マニュアルの最大の特徴は20回のセッションを標準としている点であると、監訳者は指摘しています。治療に当たっては、親と教師の参加が絶対不可欠とされます。

著者はカリフォルニア大学ロサンゼルス校の准教授ですが、さすがに邦訳されることまで意識して書いてはいないようで、例えば日本には馴染みの薄い遊びが数多く紹介されています。

この本にはコピーして使える付録がついているため、本のサイズも少し気になります(拡大コピーがあるとはいえ)。原書はA4サイズよりやや小さい縦25.1x横17.5センチでしたが、今回の翻訳書はA5サイズ(縦21.0x横14.8センチ)で、少しコンパクトになっています。これまで国内で出た緘黙の和書は、だいたいこのA5サイズです。

監訳者のあとがきは1ページのみのシンプルなものです。


コメント


この本は治療専門家が読むものなので、私のような専門家でも何でもない者がコメントするのは特に難しいです(本を使う立場ではないので)。ただ、かなり具体的に書かれている印象は受けます。

この本について、私は一部思い違いをしていたので、訂正致します。以前こんなことを書いたことが何度かありました。

この緘黙の本で示された治療法は、ランダム化比較試験という信頼性が高い方法で有効性が検証されたことがあります。

◇ Bergman, R.L., Gonzalez, A., Piacentini, J., and Keller, M.L. (2013). Integrated Behavior Therapy for Selective Mutism: A randomized controlled pilot study. Behaviour Research and Therapy, 51(10), 680-689.
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このランダム化比較試験は、本の出版前に行なわれたもののようです(後だと思っていました)。まずは予備的研究というかたちで、開発した治療マニュアルを小規模なランダム化比較試験で有効性を検証し、その後に、今回の本を出版しています。

緘黙の治療法を示した本は複数ありますが、その準備段階で、小規模とはいえランダム化比較試験まで行なって有効性を検証したことを明言したものは、少なくとも英語圏では他に見たことがありません。その分、信頼性はあります。

ところで、最近、緘黙に関心を持つ方の間に内向きの傾向を感じます。緘黙に関する海外情報への関心の低下を感じるのです。昔と違って、日本の動向を追うだけで緘黙の情報がある程度集まってしまうようになったため、それで満足してしまう人が増えたのでしょう。

ただ、緘黙の概念を生んだのも、緘黙は不安症という今日の基本的理解を築いたのも、緘黙の団体やグループを最初に作ったのも、全ては海外の専門家や関係者です。スモールステップの取り組みが注目を集めるようになったのも、海外の影響です。そして、メディアによる緘黙の啓発活動にしても、日本は海外の後追いです(こういう歴史的経緯をご存じの方、減ってきているかもしれません)。緘黙については、海外が先を進んできたといっても過言ではありません。もう少し海外の動向に関心が寄せられてもよいのではないかと思います。