翻訳書『場面緘黙の子どもの治療マニュアル』が出ます

更新日:2018年07月09日(投稿日:2018年07月08日)
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場面緘黙症の新しい翻訳書が発売されます。

書名:場面緘黙の子どもの治療マニュアル-統合的行動アプローチ-
原題:Treatment for Children With Selective Mutism: An Integrative Behavioral Approach
著者:R・リンジー・バーグマン(R. Lindsey Bergman)
監訳:園山繁樹
出版社:二瓶社
発売日:2018年7月20日

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原書については、場面緘黙症Journalでも何度か取り上げてきました。治療専門家向けに、20回のセッションで、スモールステップで発話に持っていくためのマニュアルといったところでしょうか。

↓ その時の記事です。書き方が浅いです……。
◇ オックスフォード大出版局2冊目の緘黙の洋書
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この緘黙の本で示された治療法は、ランダム化比較試験という厳密な方法で有効性が検証されたことがあります。

◇ Bergman, R.L., Gonzalez, A., Piacentini, J., and Keller, M.L. (2013). Integrated Behavior Therapy for Selective Mutism: A randomized controlled pilot study. Behaviour Research and Therapy, 51(10), 680-689.
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また、ランダム化~ではないのですが、別の、有効性に関する研究もあります。

◇ Siroky, K.A., Carlson, S. J., and Kotrba, A. (2017). Investigation of Integrated Behavior Therapy for Selective Mutism: A Replicated Single-Case Study Design. International Journal of Psychological Studies, 9(2), 82-88.
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著者のバーグマン氏は、緘黙に関する重要な研究を発表してきた方です。 「SMQ-R (場面緘黙質問票)」という、緘黙の程度を調べることができる質問票をご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、これはバーグマン氏らが作成したものを翻訳したものです。

↓ かんもくネット Knet Newsへのリンクです。
◇ SMQ-R (場面緘黙質問票)について
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二瓶社は、緘黙の本を出版したのは初めてではないかと思います。同社は、公式ホームページによると、「学習心理学、行動分析学を中心に特殊教育、教育、行動療法、心理療法などをおもなジャンルにする出版社です」とのこと。今回は行動療法の本なので、納得です。

◇ 二瓶社 ホームページ
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私は専門家ではないのでよく分からないのですが、原書を読む限り、この治療マニュアルはしっかりした背景で開発されてきたようです。後には、緘黙の研究としては当時初めて(か2番目)だった、ランダム化比較試験での有効性の検証も行なわれています。それだけに、邦訳書の発売は歓迎したいです。


『場面緘黙Q&A』10周年

更新日:2018年03月16日(投稿日:2018年03月15日)
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2008年3月15日初版発行


場面緘黙Q&A』の出版から、今日で10周年を向かえました。2008年3月15日に初版が発行されています。

当時、この本の情報をもとに支援を受けた子が例えば10歳だったとしたら、その子はもう成人している計算です。

この本が出た意味は非常に大きなものがありました。緘黙を主題とした日本オリジナルの本の出版は、『場面緘黙児の心理と指導』以来、実に14年ぶりだったのです(緘黙の経験談の本は除く)。

この本は、最初に読む緘黙の本としては、今でも最もおすすめできるものの一つだと思います。合理的配慮など最新動向についてはカバーされていないものの、国内向けに幅広くまとめられています。出版社である学苑社のホームページはこの本を「ロングセラー」としていますが、もっとものように思います。

◇ 学苑社ホームページ
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この本の大きな特色として、インターネット上の掲示板やメール交換による情報交換をもとに制作された点が挙げられます。保護者や経験者らによる110件ものコラムやイラスト、詩も掲載されています。

掲載された方の中には、当時、緘黙に関わる人の間ではよく知られている方もいらっしゃいました。このため、この本を読むと、2008年ごろにタイムスリップしたような気分になることも私にはあります。なお、恥ずかしながら、場面緘黙症Journalの内容も本には掲載されています。


もし……


もしこの10年という節目に、『場面緘黙Q&A』改訂版が出版されたら、どのような内容になるでしょう。やはり保護者や経験者らのコラムなどが数多く載るのでしょうが、10年前と今とでは、だいぶ顔ぶれが変わるはずです。

今日、緘黙について情報発信する保護者や経験者、当事者らの中には、10年前には見かけなかった人も多いです。イラストや漫画を描く人も増えました。さらに、今日では、ネット上だけでなく現実社会での交流も活発に行なわれています。そうした時代の新しい流れを反映した内容になるでしょう。想像すると楽しいです。

ですが、そうなると、せっかく初版に多く載っていた場面緘黙症Journalに関する記述が、大幅に削減されてしまいそうな気がします。そう考えると、複雑な思いがしてきます。

※ 『場面緘黙Q&A』改訂版の刊行は、私の空想です。そのようなお知らせ、ありません。勝手にこんなこと書いて、すみません。





『春が来たら、桜の花びらふらせてね。』を読んで

更新日:2018年04月30日(投稿日:2018年03月03日)
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以前ご紹介した新刊『春が来たら、桜の花びらふらせてね。 』(涙鳴著、スターツ出版、野いちご文庫)を読み終えました。場面緘黙症の女子高校生が主人公の小説です。

この本はフィクションですので、ある意味、ファンタジーとして読むのがよいのだろうと思います(実際、この話の男子高校生はちょっとかっこよすぎます!)。ですが、この本を読んで緘黙について少し考えさせられたことがあるので、そのことについて書いてみることにします。