Yahoo!カテゴリが終了、緘黙サイトも登録されていました

更新日:2018年03月27日(投稿日:2018年03月27日)
アイキャッチ画像。

かつては利用者が多かった「Yahoo!カテゴリ」


「Yahoo!カテゴリ」が、2018年3月29日にサービスの提供を終了します。

◇ お知らせ - Yahoo!カテゴリ
新しいウィンドウで開く

Yahoo!Japan創業時から続く検索エンジンが終了することに、時代の移り変わりを感じざるを得ません。

検索エンジンというと、今日ではGoogleを思い起こす方が多いでしょう。キーワード入力によって、ロボットにより収集されたウェブページ情報を探すものです。このタイプの検索エンジンを、一昔前は「ロボット型検索エンジン」と呼びました。

これに対するのが、Yahoo!カテゴリを代表とする「ディレクトリ型検索エンジン」でした。人の手によってカテゴリ分けされたリンクを辿ってウェブサイトを探すものです。

昔は、Yahoo!カテゴリを利用する人はとても多かったです。このため、ホームページを運営する側としては、いかにして自分のホームページをYahoo!カテゴリに登録させるかが課題とされました。ですが、Yahoo!カテゴリに登録されるのは至難の業で、ごく限られたホームページしか登録されませんでした。

ところが……


「場面緘黙症専用」「子リスくんのおはなし」が登録された


今から十数年前、「場面緘黙症専用」というホームページを訪問したところ、トップページに「このサイトはYahoo!登録サイトです」の文字が!

「東大に合格するよりも難しい」とも言われたYahoo!カテゴリ登録審査に、緘黙サイトが通ったことに驚きました。また、緘黙サイトがYahoo!カテゴリに初めて登録されたことで、「これで場面緘黙症が世の中に認められた」とまで私は考えてしまいました。

2006年頃には「子リスくんのおはなし」が登録され、緘黙サイトとしては2番目のYahoo!カテゴリ登録サイトになりました。


うちのサイトは登録されなかった


実は私も、場面緘黙症Journalを立ち上げた時に、Yahoo!カテゴリへの登録を申請しました。併せて、Yahoo!カテゴリに緘黙の専用カテゴリを設けてもらえないかという要望もお送りしました。ところが、審査は通りませんでした。一度ならずも、何度申請してもです。

「緘黙の会」(現・かんもくの会)という会のホームページも、2006年にYahoo!カテゴリへの登録を申請したのですが、却下されたそうです。

◇ ヤフー登録失敗?
新しいウィンドウで開く

かくも難しいYahoo!カテゴリへの登録。結局、緘黙サイトで登録されたのは、先ほどの「場面緘黙症専用」「子リスくんのおはなし」の2件だけでした。それでも、Yahoo!カテゴリに緘黙サイトが2件も登録されたのは心強く感じたものです(現在は「子リスくんのおはなし」の1件のみです)。ですが、欲を言えば、緘黙の専用カテゴリは作ってもらいたかったなあと思います。



緘黙経験者が、ミス・ノルウェーの最終選考に残る

更新日:2018年04月30日(投稿日:2018年03月26日)
アイキャッチ画像。
場面緘黙症を経験し、ミス・ノルウェーのセミファイナリストに残っていたマルテ・フレドリクセンさん(Marte Fredriksenさん)が、ファイナリストの1人に選ばれました!つまり、ミス・ノルウェーの最終選考に残ったということです。

これは現地時間3月25日、ミス・ノルウェーのホームページに情報が掲載され、明らかになったものです。

↓ ミス・ノルウェーのホームページへのリンクです。
◇ Svært dyktige finalister til Miss Norway 2018
新しいウィンドウで開く

↓ 最終選考に残ったことについて、マルテさんのコメント。
◇ Finalist i Miss Norway 2018!
新しいウィンドウで開く

ホームページでは、ファイナリストとして9人の名前が挙がっています。セミ・ファイナリストに残っていた候補者は11人だったので、2人が外れたことになります。



マルテさんは、17歳の頃からモデルとして活動されています。コンテストへの参加を通じて、緘黙やメンタルヘルスの問題を多くの人に知ってもらいたいとお話されています。

このため、ミス・ノルウェーのブログや動画で緘黙についてお話されていました。また、緘黙について語ったインタビュー記事がノルウェー放送協会などニュースサイトに掲載されていました。

マルテさんは4月21日にオスロで開かれる緘黙団体の催し Fagdag selektiv mutisme 2018 i Oslo で、講演をされる予定です(ノルウェーにも緘黙団体はあります)。演題は "En ung jentes kamp ut av tausheten" とのことですから、ご自身の緘黙経験をお話されるものと思われます。

ミス・ノルウェーは7月28日に決定する予定です。




Bercow: Ten Years On-コミュニケーションへの支援体制

更新日:2018年03月21日(投稿日:2018年03月21日)
アイキャッチ画像。

Bercow 10


イギリスで20日、Bercow: Ten Years On (以下 Bercow 10 と略します)と題するリポートが公表されました。

これは SLCN(speech, language and communication needs) と呼ばれる、発話や言語、そしてコミュニケーションに特別なニーズを持つ子どもや若者への支援体制についてまとめたものです。関係者の間で注目されています。

◇ Bercow: Ten Years On
新しいウィンドウで開く

SLCN はイギリス特有の用語です。イギリスには、140万人以上の SLCN の子どもや若者がいるとされます。場面緘黙症もこれに含まれ、今回のリポートでも、緘黙の若者を持つ母親の声が引用されるなどしています。

リポートでは、SLCN の子どもや若者への理解や資源が不十分な現状が指摘されています。また、こうした現状を踏まえた提言も行なわれています。

Bercow 10は、コミュニケーションの慈善団体 I CAN と英国言語聴覚士協会によりまとめられました。また、『場面緘黙支援の最前線』で序文を執筆したことでもお馴染みの Jean Gross(ジーン・グロス)氏が、有識者委員会の議長として関わっています。


Bercow Review の続編に当たる


今回出た Bercow 10は、10年前の2008年に出た Bercow Review(The Bercow Report)というリポートのいわば続編に当たります。Bercow Review は、SLCN の子どもや若者への支援について、政府への様々な提言をまとめたものでした。

↓ PDF。1.02MB。
◇ The Bercow Report
新しいウィンドウで開く

※ PDFを閲覧するには Adobe Reader が必要です。こちら新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

Bercow とは、イギリスの国会議員 John Bercow氏(ジョン・バーコウ、現・下院議長、保守党)のことです。同氏は2007年、SLCN の子どもや若者へのサービスについてレビューするよう、子ども・学校・家庭相から指示を受け、2008年に最終報告 Bercow Review を出しました。Bercow Review の諮問グループのメンバーには、イギリスの緘黙団体 SMIRA の Alice Sluckin(アリス・スルーキン)会長も含まれていました。

昨年、SMIRA ホームページの重要な箇所に「コミュニケーションは基本的人権」という一文が引用されているというお話をこのブログでしましたが、この引用元は Bercow Review でした。


国会議事堂で催し


Bercow 10の公表に合わせ、教育省提携のもと、イギリスの国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)で何らかの催しが行なわれたそうです。催しの中では、John Bercow下院議長や、Nadhim Zahawi子ども・家庭政務次官がスピーチするなどしています。

※ いずれも Twitter へのリンクです。Twitter に登録していない方でもご覧になれます。

◇ John Bercow下院議長のスピーチ
新しいウィンドウで開く

◇ Nadhim Zahawi子ども・家庭政務次官のスピーチ
新しいウィンドウで開く

◇ 国会議事堂に来たという方
新しいウィンドウで開く


思うところ


今回の Bercow 10 を通読して感じたのですが、必ずしも理解が得られていないとか、適切な支援が受けられないといった問題は、緘黙に限ったことではなさそうです。SLCN の子どもや若者に、概ね共通した問題のようでした。

また、今回のリポートは支援体制という制度面を分析したものですが、緘黙支援ではこうした分析は意外にあまりないので、興味深く読みました。社会福祉の分野ではミクロ、メゾ、マクロという概念があるそうですが、個別の緘黙児者をどう支援するかというミクロレベルの議論は多くても、地域や国レベルでどのような支援体制を整えるかといった議論は少ないような気もします。

今回のリポートは本格的なものですが、このようなリポートをまとめることができたのは、SLCN という大きな括りで扱ったからでしょう。お話したように、SLCNの子どもや若者は、イギリスで140万人以上もいると見られています。これが緘黙だと、マイナーな問題ゆえ、ここまではできなかったはずです。

ですが、無茶を承知で言うと、緘黙の支援体制についてもこのような緻密な分析が行なわれて欲しいという思いはあります。緘黙についても適切な理解や支援が必ずしも得られないという話は聞くことがあるのですが、詳細な分析はあまり行なわれていないのではないかと思います。