Redditで、緘黙のアンケート調査

更新日:2021年06月15日(投稿日:2021年06月15日)
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Redditとは何か


Redditという、アメリカの人気投稿サイトがあります。利用者はアメリカに限らず、英語圏を中心に広がっています。

今年に入って、ゲームストップというアメリカの企業の株価が乱高下しましたが、これにはRedditの利用者が関わっていたなどとして、日本でもニュースになりました。

Redditには場面緘黙症に関するやり取りも行われていて、多くの関係者が投稿してきました。その一部を、かつてこのブログで取り上げたことがあります。

↓ その時のブログ記事です。
◇ 海外サイトで、日本の緘黙が話題に
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Redditで緘黙のアンケート調査が行われた


このRedditで、一昨年より、緘黙の当事者や経験者等を対象としたアンケート調査が行われています。回答者数は結構な数で、2020年は239人、2019年は135人でした。

学術的な調査などとは別に、これはこれで興味深いアンケートだと思うので、今回はこれをご紹介してみます。アンケート結果そのものは、そんなに難しい英文でもありませんので。

◇ 2020年アンケート結果
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◇ 2020年アンケート結果に対する反応
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◇ 2019年アンケート結果
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日本の回答者が2020年で2人(0.9%)、2019年で1人(0.8%)います。

回答者の年齢は10歳未満から40代まで幅広いです。特に10代前半から20代前半あたりまでが多いです。

2020年のアンケートでは、緘黙からほとんど/完全に回復したと回答した人の割合は30%で、そうではないと回答した人は70%でした(全体の回答者数230人)。回答者の年齢を踏まえると、緘黙が思春期以降も続いている回答者が多いようです。緘黙は長期化しやすいということなのか、そうではなくて、このように長期化した人がインターネットの投稿サイトにたむろしているだけなのか、このあたりよく分かりません。

にもかかわらず、回答者の80.1%は、緘黙の治療を受けていません(全体の回答者数161人)。

それから、同じく2020年のアンケートに "Have you ever felt that you were "faking" your SM?" という質問項目があるのですが、これはどういう意味なのでしょうか。「あなたはこれまで、自分が緘黙の『ふりをしている』と感じたことがありますか」という訳になりそうなのですが、意味が分かりません。

緘黙の診断を受けた年齢を尋ねる質問項目もあるのですが、18歳以上と答えた回答者が、数えたところ2020年で13人、2019年で22人いました。それぞれ、全体の12.5%、23.9%を占めます(全体の回答者数2020年は104人、2019年は92人)。大人になるまで未診断だった人等でしょうか。それにしても、年によって回答者の振れ幅が大きいような……。

最後に、2020年の調査では、診断は受けていないものの、おそらく自分は緘黙だろうと回答した人が51%いたことが気になりました(全体の回答者数239人)。未診断の緘黙か、あるいは自分が緘黙と思い込んでいる人でしょう。日本でも、ネット上ではこうした人は昔からよく見ます。私自身もそうです。



緘黙を「ゲーム実況」で知る人たち

更新日:2021年06月09日(投稿日:2021年06月09日)
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アンリアルライフ


2020年にリリースされた「アンリアルライフ」というゲームに、「場面緘黙症」という言葉が登場する場面があるというお話を、このサイトで軽くお伝えしたことがあります。このゲームは文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門新人賞など複数の賞を受賞しており、評価が高いです。

このゲーム、私が思っていたよりも、多くの人の目に触れられていることに気づきました。

「ゲーム実況」をする人がいるのです。ゲーム実況とは、ゲームをプレイしている様子を、YouTubeやニコニコ動画といった動画サイトで実況放送することを言います。いまや数多くのゲーム実況者がいて、それを視聴する人も相当数に上ります。

「アンリアルライフ」も実況されています。例えば、2021年5月26日には、チャンネル登録者数が現在70万人を超える月ノ美兎さんという、Wikipediaにも載っている有名な方が実況しました。10万回を超える再生回数を記録しています。この中には、「場面緘黙症」について触れられるシーンが含まれています。

↓ その動画。「場面緘黙症」が登場するシーンです。


※ YouTubeで直接ご覧になりたい方は、こちらをクリックしてください。
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もっとも、上の動画の内容は4時間以上に及ぶので、全てを通して見ていない視聴者も多いでしょう。視聴者がみな、緘黙のシーンを見たとは限りません。とはいえ、全視聴回数は10万回以上もありますから、かなりの数の視聴者が緘黙のシーンを見たものと思われます。

「アンリラルライフ」で、緘黙のシーンが出る場面を実況している方は、他にもいます。2万回前後の再生回数を記録している実況者が複数います。

なお、このような実況動画に対して著作権の問題を気にする方もいらっしゃるだろうと思います。このゲームの制作者はゲーム実況を大歓迎しており、ガイドラインに則った実況であれば問題はありません。


バイオハザードヴィレッジ


2021年5月26日には、桜ころみんさんという方が、最新ゲーム「バイオハザードヴィレッジ」の実況をしたのですが、その中で緘黙について言及する場面がありました。桜さんは臨床心理士で、ゲーム内容から緘黙を連想されたようです。動画は3万回を超える再生回数を記録しています。

↓ 「緘黙」が登場するシーンから始まります。YouTubeへのリンク。
◇ 桜ころみんさんによる「バイオハザードヴィレッジ」実況動画
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ゲーム実況を通じて、緘黙を知る


このように、ゲーム実況を通じて、緘黙のことが広められる場面が出てきています。中には再生回数が何万回にも及ぶ実況動画もあり、その影響力は侮れません。


「緘黙RPG」も


なお、無料ゲームサイト「PLiCy」では、私が公開している緘黙の啓発ゲームをPLiCyトップページ上で実況配信できるようになっています(PLiCy登録者のみなど条件あり)。

◇ PLiCyで現在公開中の、緘黙の啓発ゲーム
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2021年3月にはなんと、PLiCyを運営されている方が、「緘黙RPG 3D版」を実況してくださりました。


PLiCy運営さん以外にも、一般の方も実況してくださったことがあるようです。ありがたいことです。なお、実は私自身も、実況したことがあります。



保護者向けの2日間トレーニング(米)

更新日:2021年06月03日(投稿日:2021年06月03日)
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アメリカで、場面緘黙症の子どもの保護者を対象とした2日間のトレーニング(と訳せばいいのかな)が予定されています。主催は、アメリカを代表する場面緘黙症の団体 Selective Mutism Association です。

題名:Selective Mutism Training Institute for Caregivers of Children with Selective Mutism
日時:2021年6月12日(土曜日)~13日(日曜日)9時00分~15時30分
講師:Rachel Busman氏(臨床心理学者)、Emily Doll氏(言語聴覚士)、Rachel Merson氏(臨床心理学者)
費用:早期申込者は250ドル(約27,000円)、通常299ドル(約33,000円)
場所:オンライン
定員:30名

↓ 情報源です。Selective Mutism Association のウェブサイトへのリンク。
◇ Online Selective Mutism Association Presents Selective Mutism Training Institute for Caregivers of Children with Selective Mutism Selective Mutism Association
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保護者向けの、このような催しは珍しいです。専門家向けであれば、こうした複数日にわたって集中的に行うトレーニングは、海外ではわりと行われています。今回の催しの題名 Selective Mutism Training Institute も、もともとは専門家向けのトレーニングの催しでした。

アメリカでは、親子相互交流療法(PCIT)の一環で、緘黙児者を持つ保護者向けの教育が行われてきました。今回の催しは、もしかしたらその流れの中で企画されたのだろうかと推測します。実際、今回のトレーニングで教える内容には、PCITが含まれています。

費用はおよそ3万円ですが、「ぼったくりではないか」「金儲けのインチキビジネスか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、海外の同種の催しと比べると、法外な金額とは言えません。こんなものです。また、インチキでもありません。

トレーニングの目標は、端的には、緘黙の原因や支援戦略、保護者自身のケアについて学ぶことのようです。