2017年・緘黙関係ニュースを振り返る

更新日:2018年01月08日(投稿日:2017年12月28日)
アイキャッチ画像。
今年一年を、場面緘黙症に関係するニュースで振り返りたいと思います。今年で8回目の企画です。私が把握したニュースの中から、気になったものを選んで振り返ります。

3月 日本テレビ系『仰天ニュース』が、また緘黙を扱う


3月1日に放送された日本テレビ系『ザ!世界仰天ニュース』の「子供の心に潜む闇スペシャル」の中で、場面緘黙症が扱われました。「無口な少女の心の秘密」と題するもので、入江紗代さん(かんもくの声)の緘黙経験を軸に、児童精神科医の新居慎一郎氏の解説を挟むものだったようです。 8分程度の内容だったとみられます。

◇ 無口な少女の心の秘密|ザ!世界仰天ニュース|日本テレビ
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現実世界での反響は分からないのですが、少なくともインターネット上では反響が大きかったです。「Google トレンド」によると、 2017年3月におけるキーワード「緘黙」の検索人気度は、統計を取り始めた2004年1月以来、過去最高を記録しました。

↓ 「Google トレンド」へのリンクです。
◇ 「緘黙」の検索動向2004年以降
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なお、この番組は、以前にもイギリスの緘黙の少女を取り上げたことがあります。


3月 『学校における場面緘黙への対応』出版


『仰天ニュース』放送の翌日にあたる3月2日には、新刊『学校における場面緘黙への対応』が発売されました(本には「2017年3月10日 初版第1刷発行」と記載)。著者は高木潤野氏(長野大学准教授)、出版社は学苑社でした。臼井なずな氏(長野大学非常勤講師)が表紙のイラストを描いています。

また、この本の内容に沿ったものとみられる講演会が、熊本市や福山市で開かれました。講演会の開催については、地元の一部メディアが取り上げています。


5月 非公式?マスコットキャラ「かんもくん」誕生


5月初旬には、緘黙の周知徹底を目的とした非公式?マスコットキャラクター「かんもくん」が誕生しました。折原さんが提案し、みこさんがデザインしたものです。鴨のキャラで、ハートを抱えています。数多くの緘黙の当事者や経験者が Twitter でかんもくんのイラストを公開したり、手芸作品を作ったりしました。かんもくんが Twitter で自動的に投稿を行なう「かんもくんbot」も始まりました。

かんもくんの絵
↑ 私が描いた「かんもくん」。


5月 モリナガアメさんのコミックエッセイが大好評、書籍化


モリナガアメさんがインターネット上で公開した緘黙の自伝的エッセイ漫画が、今年も大変多くのアクセス数を集めました。

◇ モリナガアメさんのウェブ漫画
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そのウェブ漫画が『かんもくって 何なの!?』という題名で書籍化され、5月10日に合同出版より発売されました。書籍版では、新たに加藤哲文氏(上越教育大学大学院教授)の解説が加わるなどしています。この書籍版も反響を呼んでいます。また、この本の書評や広告が各種メディアに掲載されました。なお、書籍化後も、モリナガアメさんのウェブ漫画は更新を続けています。


7月 『場面緘黙支援の最前線』出版


7月1日には、『場面緘黙支援の最前線』が出版されました。イギリスの共著 Tackling Selective Mutism を、かんもくネットが翻訳したものです。この翻訳は、緘黙の経験者や保護者、言語聴覚士、心理士、教師、翻訳家、医師など、様々な立場のかんもくネット会員が協力して行なったものです。また、出版社は学苑社です。

緘黙の本が1年に3冊も出版されたのは、少なくとも日本では初のことではないかと思います。

10月 『毎日新聞』朝刊に、緘黙の記事掲載


10月4日の『毎日新聞』朝刊医療・福祉欄に、緘黙を主題とする記事が掲載されました。「普通に話したいのに 特定場面で会話困難『場面緘黙症』」という記事です。全国的に掲載されたものとみられます。広告を除いたページの半分以上を占める大きさの記事でした。インターネットでも記事が公開されています。

内容は、緘黙を経験した「すず」さんの緘黙経験漫画や、講演などをされている大橋伸和さんのお話、金原洋治医師やかんもくネット、柏木順氏(北海道かんもくセミナー)の解説などで構成されていました。


10月 NHK Eテレ『バリバラ』が、緘黙を正面から扱う


10月中旬には、NHK Eテレの障害者情報バラエティー『バリバラ』が、「知られざる場面緘黙(かんもく)の世界」と題し、緘黙を初めて正面から扱いました。15日に本放送が、20日に再放送が行なわれています。

◇ NHK バリバラ | 「知られざる場面緘黙(かんもく)の世界」
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『バリバラ』は地上波のテレビ番組としては視聴率が決して高いわけではなく、通常0.3%程度だそうです。緘黙の回の視聴率も、同程度と思われます。ただ、ネット上では大きな反応が見られました。


10月 若倉純さんのシングルCD『緘黙の歌声』がリリース


10月25日には、緘黙経験を持つシンガーソングライター若倉純さんのデビューシングル『緘黙の歌声』がリリースされました。緘黙経験を歌にした『歌声』という曲がメインのCDです。CD化もあって、『歌声』は有線放送で、全国で流れたそうです。

もともと若倉純さんは、ライブで緘黙をもっと知ってもらうための活動を行なっていましたが、今年のCD化もあってか、ここのところ活動の幅が広がっているようにも見えます。昨年末から若倉純さんがパーソナリティーのラジオ番組『緘黙の歌声』が始まりましたし、ライブ活動もますます活発にされています。メディアの取材を受けたり、ラジオ番組にゲスト出演したりもされています。


通年 『校庭に東風吹いて』上映続く


緘黙などを扱った映画『校庭に東風吹いて』は、今年も全国の様々な地で上映が行なわれました。

2017年4月30日には、堺市の泉北ニュータウン50周年記念の催しで上映されました。この催しは、主演で地元ご出身の沢口靖子さんがゲストとして登場されることもあってか、会場は定員1,500人が終始満員という大規模なものでした。また、8月26日に宮崎市で行なわれた上映会では、900人超が鑑賞したそうです。


通年 緘黙の「セミナー商法」等が問題に


緘黙の「セミナー商法」「自称セラピストによるビジネス」「偏った思想へと導くイベント」等が問題になりました。問題提起はどうやら Twitter から始まったようで、かんもくネットがトップページで注意を喚起するまでに発展しました。


まだまだ、たくさんのニュースが


まだまだ、たくさんのニュースがありました。

○ 1月 英国で緘黙児が殺害される
○ 1月 和華さん(当事者)「人見知り・コミュ障・場面緘黙症の違い」のTwitter投稿に多数のシェア
○ 1月 緘黙への理解を訴える、ゆめさん(当事者)のTwitter投稿に多数のシェア
○ 1月 TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」で、緘黙経験者が電話相談
○ 2月 宮古島で定員200名の講演会
○ 2月 カナダ公共放送のニュース記事に、18歳緘黙経験者
○ 3月 英国:Daily Expressで緘黙の記事
○ 4月 科研費採択「場面緘黙児・者のセルフ・エフィカシーが治療への参加意欲に及ぼす影響」
○ 4月 米国世論調査「緘黙」を知っている成人は15%
○ 5月 「タマ タマヨ」さんによる緘黙記事が、アメブロで少なくとも総合2位に
○ 5月 「緘黙かるた」広がる
○ 5月 ひのさん(当事者)がTwitterで緘黙のショート公開、多数のシェア
○ 5月 ツイキャスで「緘黙ラジオ」始まる
○ 6月 『朝日新聞』東海版?で、緘黙の投書が掲載
○ 6月 京都西山短大のワークショップが今年度も開催
○ 7月 尼崎で定員250人の研修講座
○ 7月 「愛知サマーセミナー」で緘黙の講座
○ 7月 米国:10~14歳向け集中プログラム WeSpeak が登場
○ 7月 米国:SMart Centerの集中グループ治療プログラムCommuniCamp が登場
○ 7月 「障害学生に関する紛争の防止・解決等事例集」緘黙の事例が3例
○ 8月 『少女邂逅』上映
○ 8月 東京都美術館「ZEN展」で、緘黙をテーマとした作品も
○ 8月 札幌で定員100人の学習会
○ 8月 「soar(ソアー)」というウェブサイトに、緘黙の長文記事掲載
○ 8月 熊本で定員450人の講演会開催
○ 8月 「台灣選擇性緘默症協會」が誕生
○ 9月 TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」で、緘黙当事者の投稿が紹介
○ 9月 特殊教育学会の大会で、2件のシンポと5件のポスター発表
○ 9月 臨床発達心理士全国大会で、緘黙が人気
○ 10月 国立特別支援教育総合研究所の研修で、緘黙の講義か
○ 10月 福山で講演会開催
○ 10月 「かんもくアコースティックライブ2017」開催
○ 10月 「かんもくカード」のクラウドファンディング開始、最終的に30万円以上集まる
○ 11月 『AERA』10月30日号にはあちゅうさんの記事、緘黙経験も
○ 11月 筑波大で講演
○ 11月 『静岡新聞』に緘黙の記事
○ 11月 富山で講演
○ 11月 『毎日新聞』北海道版?に、若倉純さんと緘黙の記事
○ 11月 『毎日新聞』読者投稿コラムに、緘黙
○ 12月 BBC が緘黙の番組、日本でも字幕放送
○ 12月 NHK広島のテレビ番組で、緘黙
○ 12月 『読売新聞』に、緘黙の理解などを訴える読者投稿が掲載
○ 12月 「かんもくフォーラム2017」開催
○ 12月 NHK「おはよう東海」などで、緘黙
○ 通年 YouTube 動画「Yuuka. com」に人気集まる
○ 通年 長野県で、緘黙の方のイラスト展開催