琉球放送の動画見られます、放送内容についてコメント

更新日:2018年04月30日(投稿日:2018年02月20日)
アイキャッチ画像。

放送内容がYouTubeで公式に公開


RBC琉球放送の夕方のテレビ番組「THE NEWS」が、場面緘黙症を取り上げました。2月20日(火曜日)のことです。

今回は緘黙を扱ったテレビ番組としては珍しく、放送内容がYouTubeで公式に一般公開されています。そこで、その動画をご紹介したいと思います。台湾に近い宮古島の親の会の話も出てくるので、台湾の「選擇性緘默症」に関心をお持ちの方にもご覧になっていただきたいです(言語の壁はありますが)。

↓ その動画。7分33秒。動画は2週間をめどに消去されるそうなので、ご覧になるにはお早めに。


環境作りは必要。だが、それだけで十分か


一つコメントしたいことがあります。これはあくまで私の話で、しかも私は緘黙の診断は正式には受けていないのですが……。

私も動画のさゆりさんと同様、学校で話せなかった頃に、自分を受け入れてくれる同級生に恵まれました。大宜味義夫医師がおっしゃる「安心できる場所 保障できる場所 強いられない場所 "あるがままに"認めてくれる場所」という環境にも恵まれていたと思います。ところが、さゆりさんとは違い、それでもなかなか話せるようにはなりませんでした。

それはどうしてかというと、おそらく第一に、学校で話さない状態が長く続くうちに、緘黙?行動が学習されてしまったからではないかと考えています。緘黙支援で豊富な実績があるアメリカの「場面緘黙症不安研究治療センター」(Selective Mutism Anxiety Research & Treatment Center; SMart Center)によると、緘黙児が快適に感じたり不安が和らいだりしても、それだけでは大抵の場合、非言語コミュニケーションのステージに留まってしまい、言語コミュニケーションのステージに至るには不十分だそうです。特に年齢が上になるほどそうで、それは緘黙行動が学習されているためだといいます(記事最下部、関連記事をご覧ください)。

第二に、私が話さない人物であるという周囲の見方が定着してしまったからではないかと思います。こうなると、それを覆すことは難しくなります。先日お話した、Heidi Omdal准教授(アグデル大学准教授)が強調するforventninge(期待)というものです。

一般に、緘黙児者が話すことができるようにするには、不安を感じさせない環境作りは必要だろうと私も考えています。ですが、それだけでは十分ではない場合も多いのではないかとも考えています。私は国内外の緘黙の本を色々と読んできましたが、環境さえ整えば話せるようになると解説した専門書は見た覚えがありません。

環境作りに加えて、最後の島袋彩子キャスターがかんもくネットを引用してつけ加えた「楽しく、自信をつけながら、コミュニケーションの場数を踏むこと」が必要なのではないかと思います。

ただ、一般視聴者が緘黙児者にできることは環境作りです。そうした視聴者層を意識して環境を強調した構成にしたのであれば、納得がいきます。


敬意と感謝


最後に、番組の取材を受けることを快諾した皆様には敬意を表したいと思います。また、琉球放送には緘黙を取り上げていただけて感謝です。