場面緘黙症とトラウマ性緘黙症は違う

更新日:2018年04月22日(投稿日:2018年04月22日)
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場面緘黙症とトラウマ性緘黙症の違い


場面緘黙症とトラウマ性緘黙症(心的外傷性緘黙症)の違いを説明するなどしたこの記事が、海外で好評のようです。

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書かれてある通りで、トラウマ性緘黙症は、災害、事故、虐待といった強いショック体験の後に、あらゆる場面で急に話せなくなるものです。上の記事では、心的外傷後ストレス反応(PTSR: posttraumatic stress response)と説明されています。

一方、場面緘黙症は、学校など特定場面で話せなくなる不安症です。もともと不安が強い子が学校で声をからかわれて話せなくなるといったことなら時にありますが、トラウマ性緘黙症のような強いショック体験が原因で話せなくなることは稀です。


「ハリウッド版緘黙症」


上の海外記事によると、海外のフィクションで見られる緘黙は、トラウマ性緘黙症が多いそうです。似たようなことを主張した方は過去にもいて、「ハリウッド版緘黙症」(Hollywood version of mutism)という造語を残したアメリカの精神科医がいます(Dummit, n.d.)。海外では緘黙児者には何らかのトラウマがあるという誤解がわりとあるようで、このように両者の区別が強調されることがあります。

こうしたこともあって、場面緘黙症Journalでは、場面緘黙症を扱っているとされる海外フィクションを取り上げるのは、これまで慎重に行なってきています。

日本でもフィクションでトラウマ性緘黙症が多いのかどうかは、私には分かりません。強いショック体験の後に話せなくなる子のフィクションはあっていいと思いますが、それがもし「場面緘黙症」という設定だった場合は注意したいです。

なお、冒頭でご紹介した記事は、場面緘黙症とトラウマ性緘黙症の違い以外にも興味深いことが色々と書かれてあります。インタビュー記事なのですが、インタビューを受けた方は緘黙の経験者です。この方は、緘黙がある人物が主人公の子ども向けフィクション After Zero という本を出版されるそうです。