台湾で緘黙経験者の実話を元にしたCMが大反響、だが…

更新日:2018年06月10日(投稿日:2018年06月10日)
アイキャッチ画像。

YouTube 版は、再生回数250万回を突破


台湾の生命保険会社「台灣人壽」が、実話をもとにしたという新たなCMをリリースしました。主人公は、場面緘黙症の少女です。

※ 私は台湾のホームページを機械翻訳で読んだので不確かな部分もあります。ごめんなさい。

「台灣人壽」ホームページによると、6月1日より、CMの30秒版がテレビや映画館で流れているそうです。また、10分ほどの全編動画が、インターネットで公開されています。ただし、「緘黙」という用語について触れられるのは、インターネットで公開された全編動画だけです。

↓ CM についての詳細。「台灣人壽」ホームページへのリンク。
◇ 台灣人壽全新品牌廣告「第三個願望」6月1日晚間首播
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特に、YouTubeで公開された全編動画は、再生回数が既に250万回を超えています。日本で緘黙啓発を目的に公開された動画の再生回数は多くても数万回ほどですから、とてつもない再生回数です。寄せられたコメントの数も1,800件を超えます。

↓ その動画です。1分51秒頃に緘黙の概説が入ります。


↓ YouTube へのリンクはこちらです。
◇ [第三個願望] 台灣人壽2018年度鉅獻|官方完整版
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この他、Facebookに投稿された動画が30万回以上の再生回数を記録しています。

↓ Facebookに投稿された動画です。
◇ 【第三個願望|邀你一起看見 藏在安靜中的無聲願望】
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緘黙への誤解招く?


ですが、この動画は緘黙への誤解を招くという見方があるようです。台灣選擇性緘默症協會が、YouTube や自身の Facebookページ、ブログでその点について指摘したり、緘黙への適切な理解を訴える内容のコメントを残したりしています。

↓ YouTube へのリンク(再掲)。コメント欄を見ると、台灣選擇性緘默症協會によるものがあります。
◇ [第三個願望] 台灣人壽2018年度鉅獻|官方完整版
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↓ 台灣選擇性緘默症協會のFacebookページへのリンク。
◇ 【理解,讓未來能擁有變得更好的機會】
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↓ 台灣選擇性緘默症協會のブログへのリンク。
◇ 〔第三個願望〕台灣人壽2018微電影|台灣選擇性緘默症協會說明
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誤解の内容については、言語の壁から、私にはよく分かりません。あくまで機械翻訳で読み取った範囲でお話しすると、動画では、緘黙の少女が自らの意思で話さなくなったという描写で、この点が誤解を招くということではないかと思います。上述の「台灣人壽」ホームページによると、主人公の少女の父親が口腔癌にかかって話せなくなったため、父を孤独にさせまいと、少女は自らも話さないようにしようと決めたということのようです。

ですが、台灣選擇性緘默症協會のコメントを読むと、まだ誤解を招く要素があったようにもとれます。詳しいところは分かりません。

↓ CM についての詳細(再掲)。「台灣人壽」ホームページへのリンク。
◇ 台灣人壽全新品牌廣告「第三個願望」6月1日晚間首播
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自らの意思で話すまいと決心したとは、それは本当に緘黙だろうかという思いもしないではありません。ですが、あまり一般的ではないものの、同様の話を読んだ覚えは私には何度かあります。有名ならせんゆむさんのコミックエッセイ『私はかんもくガール』でも、「聞かれたことだけ答えればイイっ……!!自分からしゃべらなくてイイ……必要なコトだけ話せばイイの……!!」という誓いを人生の最初に立てたという話があります(12ページ)。

それにしても、実話をもとにしたのに、それが緘黙への誤解を与える内容だとしたら、難しい話です。おまけにそれが250万回以上も視聴されていたら、誤解の払拭は容易ではなさそうです。

誤解を防ぐためには、動画制作者が、これはあくまでこの少女の場合ですという断りをつけるという方法が考えられます。また、コミックエッセイ『私はかんもくガール』や『かんもくって 何なの!?』のように、解説を添えるという方法も考えられます。ですが、この動画の場合、そうした方法がいまいち馴染まないようにも思えます。改めて、難しい話です。