場面緘黙症は英語で何と呼ぶか

更新日:2018年10月31日(投稿日:2018年10月31日)
アイキャッチ画像。
場面緘黙症、正式名称は「選択性緘黙」ですが、これを英語で何と呼ぶか知りたいという方が結構いらっしゃるようです。そこで、改めてここでご説明したいと思います。

英語では selective mutism


選択性緘黙は、英語では selective mutism と呼びます。米国精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアルDSM-5、世界保健機関の国際疾病分類ICD-11、いずれもこの名称です。略してSMとも呼ばれます。

mutism(ミューティズム)という単語は、テレビなどで音声を消す「ミュート」を思い出していただくと分かりやすいかもしれません。

用例を示します。

○ Selective Mutism Association
○ Selective Mutism Anxiety Research & Treatment Center
○ Selective Mutism Information & Research Association

下の画像の本は The Selective Mutism Resource Manual という、イギリスでは定番の本です。Amazon.co.jpアソシエイトリンクです。



90年代中頃までは elective mutism


1990年代中頃までは、elective mutism と呼ばれていました。この名称は、1934年にスイスの児童心理学者 Moritz Tramer が名付けたものです。Tramerは、緘黙児者が話さないのには、たとえ本人が意識してなくても選択の要素があると考えたのでした。

1994年に、米国精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアルが改訂され(DSM-IV)、その際、今日の名称 selective mutism が採用されました。緘黙児者自身が話さないことを選択しているというニュアンスが、これにより無くなったとのことです。elective と selective のニュアンスの違いはちょっと私には分からないのですが、英語圏ではそう言われています。この名称変更の背景には、アメリカの緘黙団体 Selective Mutism Foundation の尽力もあったそうです。

ですが、selective mutism という名称にも、緘黙児者自身が話さないことを選択しているというニュアンスが完全になくなってはいないとして、situational mutism の方が適切という意見も一部で出ています。