1988年NHK「『なぜ学校で声が出ないの?』―緘黙症の子どもたち」

更新日:2018年12月03日(投稿日:2018年12月03日)
アイキャッチ画像。
岩手大学の山本実教授(故人)の足跡を、最近インターネット上でいくつか見つけました。一般的な検索エンジンで検索しただけでは見つけにくい情報もあります。ご紹介します。

山本実教授とは


まず、簡単なおさらいをすると、山本教授は1980年代に緘黙の本を3冊出版された方です。 『緘黙症・いじめ-正子の場合』(1986年)『「緘黙」への挑戦』(1988年)『「学校かん黙」事典』(1989年)の3冊です。ただ、これらは一般流通した本ではないためか、現在あまり知られていません。

また、山本教授は同時期に、緘黙のことでNHKの番組「おはようジャーナル」「ファミリージャーナル」に出演されたり、『読売新聞』の取材を受けたり、教育系雑誌に執筆をされたりしています。80年代末期に緘黙のことでこれだけの活動をした方がいらしたことは、特筆に値します。

詳しくは、以下の記事でまとめています。

◇ もう一人の緘黙研究者
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さて、最近見つけた山本教授の足跡は、次の3件です。


1988年NHK「『なぜ学校で声が出ないの?』―緘黙症の子どもたち―」


先ほどお話したNHKの番組の出演情報が、NHKホームページに掲載されています。

◇ 番組表検索結果 | NHKクロニクル
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「おはようジャーナル」「ファミリージャーナル」出演の事実が、NHKの公式ホームページで裏付けられた格好です。

タイトルの「『なぜ学校で声が出ないの?』―緘黙症の子どもたち―」ですが、時代性が反映されていると感じます。まず、現代では「学校」「子ども」に限ることはしないことも多いかもしれません。現代でも「学校」での「子ども」の緘黙は極めて重要なテーマですが、その一方で、成人期の緘黙が以前より注目を集めています。また、現代のメディアは「緘黙症」より「場面かん黙」「場面緘黙」という名称を使うことが目立ちます。

出演番組のうち「おはようジャーナル」ですが、ホームページの記述から、1988年(昭和63年)11月2日(水曜日)8:30~9:29に、NHK総合とNHK衛星第2で同時放送されたことが分かります。今からちょうど30年前です。奇しくも時代は昭和最末期、新元号前夜です。出演者に校成病院の内田良子氏のお名前もありますが、この方も緘黙との関連で出演されたのでしょうか?

また、「ファミリージャーナル」は、その20日後の1988年(昭和63年)11月22日(火曜日)21:40~22:15に、教育テレビでの放送です。NHKホームページの記載から窺うと、「おはようジャーナル」の内容を再放送したもののようにも思えます(個人的な推測です)。

なお、NHKには「番組公開ライブラリー」というものがあり、一部の過去の番組は、全国のNHKの放送局など57箇所にある施設で無料視聴できます。しかし、この緘黙の放送については、NHKホームページによると、番組公開ライブラリーでは視聴できないようです。


教育雑誌の掲載状況


次に、国立国会図書館オンラインでは、山本教授が執筆した記事の掲載状況が確認できます。

◇ 教育心理 36(2) | 書誌詳細 | 国立国会図書館オンライン
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◇ 小五教育技術 42(12) | 書誌詳細 | 国立国会図書館オンライン
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注目したいのは、『小五教育技術』です。「<特集> 『学校緘黙症』の子に、こう取り組む!!」として、約10ページの内容が組まれています。


盛岡市立図書館の科学講演会


あと、盛岡市立図書館で長年行なわれている講演会「科学談話会」で、山本教授が講師を担当されたことがあるという情報があります。

↓ 第443回です。情報が多いので見つけにくいかも。
◇ 科学談話会70年の歩み(その2)
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↓ 科学談話会について。
◇ 科学談話会
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1990年(平成2年)4月20日に「学校緘黙症について」の題目で開催、参加者数は31名だったそうです。


むすび


山本教授の足跡について、新たな情報を確認できました。現在よりもさらに緘黙の先行研究が乏しく、緘黙そのものも知られていなかったこの時期にこれだけの活動を展開された方がいらしたことには、やはり注目したいです。