厚生労働科学研究、緘黙等の研究の公募開始

更新日:2018年12月21日(投稿日:2018年12月21日)
アイキャッチ画像。

吃音、トゥレット症候群、緘黙


平成31年度(2019年度)の厚生労働科学研究費補助金の第一次公募研究課題が、12月21日に発表されました。その中の一つに、次のものがあります。

「言語を用いるコミュニケーションに困難さを持つ発達障害児者(吃音、トゥレット症候群、場面緘黙)の実態把握と支援のための研究 (19GC0101)」

※ 太字は私が施したものです。

求められる成果には次の二つが挙げられています。当事者や保護者としては、多少の期待も湧いてくるかもしれません。

「吃音症、トゥレット症候群、場面緘黙における生活の困難さと医療、福祉、就労等日常生活での有効な支援に関する調査結果」

「吃音、トゥレット症候群、場面緘黙の困難さを示す指標・尺度及び測定方法やその支援手法についてのガイドラインの作成」

研究費の規模は1課題当たり年間3,500~5,000千円程度だそうです。少なくとも、金額面では大規模な研究ではないようです。

↓ 115ページに書かれてあります。PDF(1,353KB)。厚労省ホームページへのリンクです。
◇ 2019年度第一次公募要項
新しいウィンドウで開く

※ PDFを閲覧するには Adobe Reader が必要です。こちら新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

↓ 今回の厚生労働科学研究公募全体については、こちら。厚労省ホームページへのリンクです。
◇ 2019年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(1次)
新しいウィンドウで開く


当事者や家族、支援の実施者の意見が反映されるはず


今回公募される研究費補助金は、これまで何度かお話してきた「科研費」とは異なります。「科研費」は、文部科学省と、その外郭団体である独立行政法人日本学術振興会による研究助成費で、全ての学問分野にわたる「競争的研究資金」です。今回公募が行なわれた厚生労働科学研究では、緘黙に関わる研究が行なわれたことはありません(科研費はあります)。

↓ 科研費に採択された緘黙に関わる研究。国立情報学研究所のサービスKAKENへのリンク。
◇ KAKEN - 研究課題をさがす | 緘黙
新しいウィンドウで開く

今回の公募の採択条件には次のように書かれてあるので、私たちにも何らかの関わりが出てくることも予想されます。

「吃音症、トゥレット症候群、場面緘黙等の当事者や家族、支援の実施者(専門家、行政、関係団体等)の意見が反映される体制が整備されていること(研究計画書の「2 研究計画・方法」において意見聴取の機会等が記載されていること)」

それから、診断名称の「選択性緘黙」ではなく、「場面緘黙」という名称で厚労省が公募を行っているのが気になります。「選択性緘黙」という名称だと話さないことを本人が選択しているという誤解を与えかねないとして、「場面緘黙」という名称を推す声が緘黙関係団体などの間にあります。ただ、正式な診断名称は「選択性緘黙」ですし、「症」をつけた「場面緘黙症」という呼び方も当事者や経験者らの間で根強いです。「場面緘黙」とした意図はどこにあるのでしょうか。

また、細かいことですが、緘黙が発達障害として扱われています。確かに緘黙は法律上発達障害とされることがありますが、緘黙は発達障害者支援法の対象から近い将来外れる可能性があるという観測もありました。今回の研究実施機関は最長2年間が予定されていますが、このあたり、問題になることはないだろうかと思います。

◇ 緘黙が、発達障害者支援法の対象から外される?
新しいウィンドウで開く

なお、厚生労働科学研究は成果がまとまれば、下記のページで閲覧できます。

◇ 厚生労働科学研究成果データベース MHLW GRANTS SYSTEM
新しいウィンドウで開く