学生を対象とした、緘黙研究の賞ができる(米)

更新日:2019年05月10日(投稿日:2019年05月10日)
アイキャッチ画像。

2つ設けられる


アメリカで、学生を対象とした場面緘黙症研究(ポスター発表)の賞が設けられました。次の2つの賞です。

○ Selective Mutism Association Outstanding Research Award
○ Thomas J. Kehle Award

※ Selective Mutism Association:アメリカを代表する緘黙団体。
※ Outstanding:「傑出した」という意味。

■ 応募資格者:Selective Mutism Associationの年次総会(後述)時点で、大学生または大学院生であること。
■ 賞金:500ドル(約55,000円)。

応募希望者は、10月12日(土曜日)と13日(日曜日)にラスベガスで開かれる Selective Mutism Association の年次総会でポスター発表を行ないます。また、受賞者の発表はその年次総会と、ニュースレターの中でなされます。


Thomas J. Kehle氏について


賞の名称にある Thomas J. Kehle氏とは、コネティカット大学に在籍していた学校心理学の教授のことと思われます。残念ながら、2018年2月7日に亡くなられています。

↓ 追悼記事。
◇ In Memoriam: Professor Thomas Kehle
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Thomas J. Kehle氏は、学校心理学のジャーナルに数多くの寄稿をされた方だそうです。緘黙については、セルフモデリングの研究を共同で発表するなどされています。確認できた限りでは、次の3件があります。

◇ Kehle T.J., Owen S.V., and Cressy E.T. (1990). The use of self-modeling as an intervention in school psychology: A case study of an elective mute. School Psychology Review, 19(1), 115-121.
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◇ Kehle, T.J., Madaus, M. R., Baratta, V.S., and Bray, M.A. (1998). Augmented self-modeling as a treatment for children with selective mutism. Journal of School Psychology, 36(3), 247-260.
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◇ Kehle, T.J., Bray, M.A., Byer-Alcorace, G.F., Theodore, L.A., and Kovac, L. (2012). Augmented self-modeling as an intervention for selective mutism. Psychology in the Schools, 49(1), 93-103.
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緘黙の賞は珍しい


この賞については、現時点では詳しい情報が明らかにされておらず、私には分からないことも多いです。例えば、賞は2つ設けられましたが、両者の違いはどこにあるのかは分かりません。

賞創設の狙いもはっきり分かりませんが、(1)優れた緘黙研究が生まれるよう促すこと、(2)学生に緘黙研究への関心を持ってもらうこと、(3)団体の年次総会を盛り上げることなどが、考えられる狙いとして挙げられそうです。

どちらにしろ、緘黙の賞は珍しいです。小さな賞かもしれませんが、それでも珍しいです。特に、研究に対して与えられる賞は初めて聞きました。

なお、イギリスには緘黙支援者を表彰する賞 The Katie Rough Memorial Award があり、これまで2名が受賞しています。

◇ 英国で、緘黙支援者を表彰する賞ができる
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