緘黙の研究に、科研費過去最大2,561万円

更新日:2019年07月05日(投稿日:2019年07月05日)
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研究機関は5年で過去最長タイ


今年度から始まった、ある場面緘黙症の研究に、科研費として2,561万円が交付予定であることが明らかになりました。

↓ 国立情報学研究所のサービス KAKEN へのリンクです。
◇ 場面緘黙児の早期発見・早期支援・経過把握の方法開発 
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科研費に採択された緘黙の研究としては、交付額は過去最大です。研究期間も5年と、これまでの中で最長タイです。

交付額が全てではないかもしれませんが、2,561万円とはそれなりに大きな金額です。私はひきこもり問題にも関心を持っているのですが、ひきこもり研究で、今年度科研費交付額が最大だったものの金額は624万円(2年間)でした。今回の研究の交付額は、総額で見ても、一年あたりで見ても、それよりも大きいです。

ところで、先日、似たようなお話をしたのを覚えていらっしゃるでしょうか。今年度採択された他の研究に「縦断的調査による場面緘黙の実態解明と効果的な介入手法の確立」があり、これが過去最大・最長であると先日このブログでお話したのでした。この研究に交付された科研費は1,573万円、期間は同じ5年間でした。それが昨日、今回の研究がKAKENで追加公表され、交付額過去最大の研究がこちらに変わったのでした。

↓ 1,573万円交付の研究。国立情報学研究所のサービス KAKEN へのリンクです。
◇ 縦断的調査による場面緘黙の実態解明と効果的な介入手法の確立
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科研費とは


科研費こと科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金/科学研究費補助金)は、文部科学省と、その外郭団体である独立行政法人日本学術振興会による研究助成事業です。助成対象の研究は、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたります。その規模は、2018年度予算額で2,286億円です。

科研費は「競争的研究資金」であり、その交付を受けるには、応募を行なった上で、審査に通らなければなりません。応募件数は平成2017年度で約101,247件で、このうち25,313万件が新規採択されています。

科研費には研究種目という区分があり、「特別推進研究」「新学術領域研究」「基盤研究」「挑戦的研究」「若手研究」「研究活動スタート支援」「奨励研究」からなります。

今回採択された緘黙の研究は「挑戦的研究(開拓) 」です。「挑戦的研究」は1人または複数の研究者で組織する研究計画であって、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを志向し、飛躍的に発展する潜在性を有する研究です。このうち(開拓)は、研究機関3~6年で500万円以上2,000万円以下のものを指します。その一方、挑戦的研究には(萌芽)という区分もあり、こちらは2~3年間で500万円以下のものを指します。


緘黙と科研費


100年を超える科研費の歴史の中で、緘黙の研究が科研費に採択されるようになったのは、KAKEN で確認できる限り、ごく最近のことです。最初の採択例は2010年度から12年度にかけて行なわれた「選択性緘黙の内的世界の探究と治療教育的アプローチの開発」でした。2016年度からは、毎年何らかの研究が採択されています。

なぜ採択数や金額がここにきて急増しているのかは、相変わらず私には分かりません。科研費全体で採択件数が増加傾向にあり、緘黙の研究ももしかすると採択されやすくなっているのかもしれません。ですが、それにしても、不自然なぐらい急増していると思います。

今年度に至っては金額が大型化し、先ほどお話した2つの研究を合わせただけでも約4,000万円(5年間)に達します。

多額の助成をもとにしたこれらの研究ですが、果たして期待できるのでしょうか。これには、過去の研究実績が参考になると思います。下記の研究には実績報告書が出ているので、ご紹介します。私がどの程度期待しているかについては、書かないことにします。

◇ 場面緘黙児・者のセルフ・エフィカシーが治療への参加意欲に及ぼす影響
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◇ 選択性緘黙児童生徒の多様な状態像の解明と個に応じた支援方法の検討
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◇ 選択性緘黙の内的世界の探究と治療教育的アプローチの開発
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