母親が著者!インドネシアの緘黙の本

更新日:2020年03月07日(投稿日:2020年03月06日)
アイキャッチ画像。
インドネシアで、場面緘黙症の本が出版されたという情報をつかみました。

本の内容が気になるのですが、私はインドネシア語を読むことができず、買っても本棚の肥やしになること必至なので、本の購入はしていません(そもそも、日本から購入できるかどうかも分かりません)。

ですが、本の内容をネット上で話題にしている人はいます。ネットの文章なら、インドネシア語を英語に機械翻訳するなどして無理矢理読むこともできます。そこで、ネット情報と機械翻訳をもとに、本について簡単にまとめ、私のコメントを添えてみたいと思います。

本を直接手に取って読んだわけではないので、ちょっと正確性に欠ける部分があるかもしれませんが、ご了承ください(本当はこんなやり方よくありません)。

本の基本情報


著者:Sitatur Rohmah
編者:A. Mellyora
書名:365 Hariku Bersama Ananda - Terapi Mandiri pada Anak dengan Gangguan Selective Mutism
出版社:Metagraf

著者のSitatur Rohmah氏は、緘黙児の母親です。フリーランスのライター、ブロガー、ママプレナー(ママ企業家)などとして活動されています。

書名を日本語に訳すと、『Anandaとの365日:場面緘黙児の独立したセラピー』といったところでしょうか。

発売日は、下記PDFファイルによると、2019年11~12月頃とみられます。

↓ 8ページの110~111番に記載あり。PDF。11.1MBあり、少し重いです。
◇ Nopember - Desember 19 - ISBN - Perpustakaan Nasional
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本の概要


本は、3つの章で構成されています。

第1章
著者が子どもの緘黙に気づき、受け入れたことが書かれているようです。

第2章
著者の経験や、緘黙支援の情報が書かれているようです。

第3章
緘黙の理論や、読者への助言が書かれているようです。

なお、著者の子どもの緘黙は、365日で顕著な改善を見せます。


コメント


保護者の経験を書いた単著は珍しい


緘黙に関わる経験を書いた単著は色々ありますが、それらは緘黙児者だった方が書いた(or描いた)ものがほとんどです。保護者が子どもの緘黙と関わった経験をまとめた単著は意外にありません。日本だと、強いて言えば、経験者と保護者の共著『負けたらあかん!』が挙げられるぐらいです。

一方、ブログだと、当事者・経験者だけでなく、保護者も昔から書いています。我が子のこととなると、ブログならともかく、本として発表するのは難しいのかもしれません。それだけに、今回の本は興味深く感じます。

本にはどういう支援法が書かれてあるか分からないのですが、ある緘黙児に有効だった方法が、他の緘黙児にもそのまま有効とは限らないことに留意して読めば、得るところがありそうです。

また、この本の存在により、保護者の孤独感が和らぐとか、共感できるといった心理面の効果も期待できそうです。緘黙というと当事者の苦しみがよく注目されますが、支援にあたっている保護者も、苦しい思いをしているはずです。

親だからこそ書けたこと


第1章では、子どもの緘黙の受容などが書かれているようで、ここは興味深く思いました。親の障害受容は一つのテーマですが、緘黙の受容については注目されていないのではないかと感じていました。専門家ではなく、親だからこそ、話題にできたのかもしれません。

この本を直に読んでいないので、著者のお子さんの年齢が分からないのですが、おそらく本に書かれている話は、お子さんが小学生ぐらいの頃のことで、しかもそう遠い昔の出来事でもないのではないかと思います。その子の緘黙が365日で顕著な完全を見せたというのも、親だから書けたのでしょう。

経験者の単著だと、どうしても緘黙やいわゆるその後遺症が長期化した人の数十年にわたる半生を、大人になって振り返る……という内容になりがちです。おそらくこれは、大人になってからでないと本はなかなか書けず、また、大人になると子どもの頃のことをある程度忘れてしまうため、子どもの頃の短い時期の経験を、1冊の本にまとめるだけの分量でまとめることが難しくなるからでしょう。

最後に、インドネシアは特に、緘黙が知られていないそうです。それだけに、なにより本書を出版できたことそのものに大きな意義がありそうです。