緘黙は「希少疾患」なのかどうか

更新日:2020年09月20日(投稿日:2020年09月05日)
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希少疾患は


希少疾患は、国内患者数が5万人未満の疾患を言います(日本の場合)。

厚生労働省によると、希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品は、対象患者数が本邦において5万人未満であることなどを条件に指定されます。

↓ 情報源。厚生労働省ホームページへのリンク。
◇ 希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の指定制度の概要
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緘黙児者は5万人もいない可能性


場面緘黙症は、希少疾患として扱われることはありません。患者数も不明ですが、国内患者数が5万人を下回っている可能性は十分に考えられます。

最近の日本の研究では、緘黙の有病率は小中学校で約0.2%という数字が出てきています(私が知る限り、全国調査は行われていませんので、留保の余地あり)。例えば、最近の兵庫県内での調査では、主要都市で0.21%という結果が出ているそうです。そして、文部科学省の令和2年度学校基本調査によると、小中学校の在学者数は9,511,972人です。単純計算すると、緘黙がある児童生徒数は、小中学校だけで約2万人です。

幼稚園だと、茨城県南部で行われた研究があり、それだと0.66%でした(ただし、医師の診断によるものではありません)。そして、文部科学省の令和2年度学校基本調査によると、幼稚園の在学者数は1,078,499人です。強引ですが、単純計算すると、緘黙がある幼稚園児の数は、約7千人です。

以上約2万7千人に、保育園や認定こども園、高校以上などの緘黙児者の数を足し合わせるとどうなるかは分かりませんが、そう多くはないはずです。5万人以下の可能性は十分に考えられます。

とすると、緘黙も希少疾患に含めることができるのでしょうか。希少疾患にも知見の蓄積があるはずです。緘黙を希少疾患という視点で見ると、新しいものが見えてくるかも知れません。


ただ、小中学校では0.2%もいる


ただ、小中学校で0.2%もあるものを、「希少」として扱うのはどうなのだろうと思います。このあたり、私は専門家ではないので分かりません。

なお、全米希少疾患患者組織のウェブサイトにある希少疾患データベースには、場面緘黙症の情報が載ってはいます。あくまでアメリカの話です。

↓ そのページです。
◇ Mutism, Selective - NORD (National Organization for Rare Disorders)
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