2歳半で緘黙の診断を受け、活躍する子役(米)

更新日:2021年01月12日(投稿日:2020年12月01日)
アイキャッチ画像。

ブロードウェイミュージカルなどで活動経験


場面緘黙症を克服して活躍する子どものインタビュー記事が、Broadway World.comという海外の人気情報サイトに掲載されました。

↓ その記事です。11月30日掲載。
◇ BWW Interview: Rachel Ling Gordon-A Talented Youth's Budding Career
新しいウィンドウで開く

この子の名前はRachel Ling Gordonさん(以下、レイチャルさんと書きます)。ニューヨーク州ウェストチェスター出身の8歳の少女です。

記事によると、2歳半で緘黙の診断を受け、友人や家族、医師、教師、治療専門家からサポートを受けてきたそうです。まだ緘黙があった6歳の頃、「ヘンゼルとグレーテル」のグレーテル役で、初めてミュージカルに出演。グレーテルの利口で勇敢なキャラクターが、不安克服への力を与えてくれたそうです。

※ この「勇敢な」(brave)という言葉、英語圏の緘黙情報に接しているとよく見ます。緘黙克服のため、緘黙児者は勇敢であれということのようです。なお、翻訳書である『場面緘黙の子どものアセスメントと支援』には「ブレイブワーク」という言葉が登場します。

また、時期は書かれていないのですが、perform(どう訳せばいいのかな)することが好きなレイチャルさんのために、親がモデルに応募したことにより、話さなくてもステージに立つという経験をしました。この経験が、学校でセラピーを受けていたことに加えて、緘黙治療に効果的だったと振り返っています。

その後は、ブロードウェイミュージカルの全国ツアーに参加して重要な役どころを演じたり、ニューヨーク・コレクションでモデルをしたり、カーネギーホールでピアノを独奏したり、ニュースやテレビ、印刷物のコマーシャルに出たりと、かなり活躍されているようです。ブロードウェイミュージカルでは、150人以上にわたる友人や家族、教師、医師、治療専門家らが来て、サポートしたり見てくれたりしたそうです。


中国語ニュースサイトでも


レイチャルさんについては、アメリカを拠点とする中国語ニュースサイトでも取り上げられています。記事によると、中国人との混血だそうです。動画を見ることもできます。

↓ その記事の一つです。美国中文网へのリンク。動画あり。
◇ 克服内向 纽约七岁华裔女孩登上百老汇
新しいウィンドウで開く

↓ こちらも美国中文网。動画あり。
◇ 华裔女孩领衔百老汇经典圣诞剧 混血家庭培养有道
新しいウィンドウで開く


記事を読んで感じたこと


まず、2歳半で緘黙の診断を受けたというのが早いです。緘黙は幼稚園や小学校に入学した時など、もっと後に問題化することが多いのですが、どうしてこのように早く診断を受けられたのでしょうか。私の読み間違いや、記事の書き間違いを疑ってしまいました。記事には "When I was diagnosed with Selective Mutism at 2.5 years old..."と書かれてあります。

とにかく、事実だとすれば素晴らしいです。このように早期発見・早期支援により、早い段階で治してしまうことが理想でしょう。あとはぶり返しがなければよいのですが、これだけ活躍されているところを見ると、また緘黙になる事態は想像しにくいです(素人目線ですが)。

学校で受けていたセラピーというのは、日本で言う「スモールステップの取り組み」ではないだろうかと思います。そのスモールステップの段階の一つとして、ステージに立ったり、「ヘンゼルとグレーテル」に出演したりしたことが大きな経験になったのだろうと私は見ています。

なお、緘黙があっても、歌手として歌は歌えるという人の話は聞いたことがあります。レイチャルさんも、もしかしたらそういうタイプの子だった可能性も考えられないではありません。

最後に繰り返しますが、2歳半で診断を受けたというのは実に早いです。早期に緘黙を克服し、活躍する姿を見るのは嬉しいです。残念な点があるとすれば、コロナの影響で、レイチャルさんの活動の場が減っていることです。また舞台で大いにperform(どう訳せばいいのかな)できる日が来るとよいです。

↓ レイチャルさんが登場するYouTube動画。2分24秒。『サンタが町にやってくる』を歌っています。2020年11月28日に公開されたばかりの動画です。

※ YouTubeのページで直接ご覧になりたい方はこちらをクリックしてみてください。
新しいウィンドウで開く


追記(12月16日)


レイチャルさんの緘黙に注目したインタビュー記事が出ました。

◇ Rachel Ling Gordon: “Selective Mutism is more than just shyness”
新しいウィンドウで開く

2歳半で診断を受けたというのは本当でした。当時からpreschool(幼稚園?保育園?)に通っていたようです。レイチャルさん自身もよく頑張って緘黙を克服し、活躍の舞台を得たことにより、大きな自信をつけたことが窺えます。

今後のレイチャルさんによる啓発活動にも注目したいです。


追記(2021年1月12日)


レイチャルさんが場面緘黙症について話す動画が公開されました。アメリカの緘黙団体Selective Mutism Associationの動画です。

↓ その動画です。1分30秒。
Rachel Gordon Selective Mutism
新しいウィンドウで開く