「緘黙克服は、親が9割」(海外)

更新日:2021年01月27日(投稿日:2021年01月27日)
アイキャッチ画像。

親子相互交流療法の話か


場面緘黙症の専門家スティーブン・カーツ(Steven Kurtz)博士は、緘黙児の親との会話の中で、こんなことを話したそうです。

場面緘黙症克服の助力の10%は、間違いなく治療専門家によるものです。なぜならば、治療専門家は親に対して、家で子どもとともに取り組むよう教育しているからです。そして、90%は親によるものです。

10% of help to overcome selective mutism really comes from therapists and that's because they're teaching and educating parents in order to work with their child at home and 90% of overcoming selective mutism comes from parents.

↓ 又聞きの情報ですみません。
◇ 情報源です。Mila TalkというYouTubeチャンネルのVideo 3: How Parents Become Subject Matter Experts in Selective Mutismへのリンク。
新しいウィンドウで開く

これはおそらく、親子相互交流療法(PCIT)の話の中で出てきたのではないかと思います。北米の緘黙支援では、治療専門家が親にPCITの技法を教え、その教わった内容を、親が子どもに実践していきます。

治療専門家は親に技法を教えるだけで、大事なのは親がそれを実践することという意味で、「親が9割」と言ったのでしょう。また、娘さんが緘黙を克服できるかどうかはあなた次第ですよという意味で「親が9割」と言ったのかもしれません。

なお、PCITは、北米では緘黙支援でメジャーとなってきている技法で、その普及にはカーツ博士が大きな役割を果たしてきました。日本語情報では、邦訳書『場面緘黙の子どものアセスメントと支援』の中に説明があります。

ただ、もう少し広い視野で考えると、緘黙支援では学校や幼稚園の役割も欠かせないだろうと思います。そういう意味では、「親が9割」はちょっと言い過ぎのようにも思えます。


とはいえ、保護者の役割は大きい


PCITは別にしても、保護者の役割はやはり大きいです。この話をした緘黙児の保護者(動画で話している方)も、PCITのことに限らず、緘黙支援ではよく勉強してらっしゃいますし、動いてらっしゃいます。

ああした動画を公開していることもそうです。この保護者はYouTubeチャンネルを開設し、緘黙の娘さんの動画を多数公開しています(ただし、発案は5歳の娘さん)。中には、保護者の視点から、緘黙児の保護者向けの情報を提供した動画も複数あります。

私が驚いた動画は、コロナ禍での発話練習を記録した動画です。ZOOMか何かのオンライン会議システムを用いた発話練習は、映像で見ると実際の様子がよく分かりました。

↓ その動画です。4分44秒。題名はBrave Talking Practice While Under COVID Quarantine to overcome selective mutism。


※ 上の動画のYouTubeへの直接リンクはこちら。
新しいウィンドウで開く

日本では保護者が果たす役割や、保護者向けの情報が軽視されてきてはいないでしょうか。経験者発の情報や、学校向け情報に偏ってきてはいないでしょうか。「保護者が9割」かどうかはともかく、そこは考えさせられました。