Hear Me-緘黙の短編映画(米)
更新日:2021年05月23日(投稿日:2021年05月23日)

YouTubeで公開中
場面緘黙症の架空の人物を主人公とした Hear Me というアメリカの短編映画が、2019年に公開されました。その短縮版と見られる動画が、制作会社によってYouTubeに投稿されています。
↓ その動画です。
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映画は24分の内容だそうですが、上の動画は18分です。
主人公のケネディは、夢見ていた大学に入学するチャンスをつかみます。ですが、入学のためには奨学金面接を通らなければなりません。話せないケネディにとって、これは難題です。そこでケネディは、コミュニケーション・スキルを育成するため、短期の演劇の集まりに参加、指導を受けます。
動画の概要欄に「場面緘黙症と闘うある少女は……」(A girl struggling with selective mutism is) とあることなどから、ケネディは緘黙であるという設定は間違いありません。ただ、上の動画の中では、緘黙という言葉は登場しません。
様々な賞を受賞した作品です。
感想
アメリカでは大学の学費が高騰していて、多額のローンを抱える学生は少なくないそうです。それだけに、奨学金はストーリー上、重要になっているのでしょう。
外国語の映画ゆえか、それとも短縮版ゆえか、よく分からなかったのですが、ケネディが子どもの頃、家族が事件に巻き込まれて、その時のトラウマから話せなくなったという設定なのでしょうか?フィクションにありがちですが、緘黙の描き方か゛、あまり適切ではないように思われました。
また、緘黙は大抵の場合、家では話せますが、ケネディが家で話す場面は描かれません。実の家族とではなく里親の元で暮らしていることから、家でも話せないということなのでしょうか?
終盤は、私としては予想外の展開でした。アメリカにも緘黙への配慮 (accommodation) は行われており、この映画のようなことが現実的にどれほどあり得ることなのかは私には分からないのですが、一つの問題提起ではあるかもしれません。