緘黙署名に3000人近く(英)

更新日:2022年06月17日(投稿日:2022年06月17日)
アイキャッチ画像。
オンライン署名サイトChange.orgで、イギリスの場面緘黙症支援に関する署名が行われています。

賛同者は膨らみ、現在3,000人近くです。イギリスの人口は日本の半分ほどですが、これほど集まるものなのかと驚いています。イギリスには緘黙関係者がそんなに多いのでしょうか。それとも、イギリスの緘黙関係者以外の人も、数多く署名しているのでしょうか。

↓ そのページへのリンクです。英語。
◇ Create an NHS pathway of treatment for children and adults diagnosed with Selective Mutism
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署名の内容は、場面緘黙症の子どもや大人を治療するための、NHSのpathwayを作って欲しいというものです。NHSはNational Health Serviceの略で、イギリス国営の国民保健サービスのことです。

pathwayとは、私は専門家ではないので詳しくはないのですが、クリニカルパスのことではないかと思います。クリニカルパスとは、「患者状態と診療行為の目標、および評価・記録を含む標準診療計画であり、標準からの偏位を分析することで医療の質を改善する手法」のことです(日本クリニカルパス学会の公式定義)。

署名の要望は、イギリスどこに住んでいても、標準化された治療を平等に受けられるようにして欲しいという点に主眼があるのだろうかと私は解釈しています。NHSやpathwayといったキーワードにも、その要望が示唆されているように思います。

なお、『場面緘黙支援の最前線』というイギリスの本の邦訳書には、クリニカルパスと似た?概念として、場面緘黙症の「ケアパス」(care pathway)について述べられた章があります。153ページから171ページにかけてです。興味のある方は、ご覧になってみるのもよいかもしれません。