国会で、緘黙が軽く言及される

更新日:2022年08月01日(投稿日:2022年08月01日)
アイキャッチ画像。
今年1月から6月にかけて開催された国会(第208国会)で、場面緘黙症に軽く言及される場面が2度ありました。

といっても緘黙をテーマとした質疑での言及ではありませんでした。とはいえ、国会で緘黙について言及されるのは3年ぶりのことで、よくあることではありません。そこで、ここでご紹介してみます。

都立高の英語スピーキング試験


1度目は、衆議院文部科学委員会での質疑(3月2日)です。吉田はるみ議員(立憲民主党)が、東京都立高校の入試における英語スピーキングテストについて質問したのですが、その中で、話すことが難しい子どももいるとして、その例として吃音と緘黙の子どもを挙げました。

都立高校の入試のあり方が国会で議論になったわけです。では、都議会ではスピーキングテストと緘黙について議論になったのでしょうか。会議録を検索してみたのですが、今のところ該当する会議録は見つかりません。ちなみに、吃音については質疑があったのを確認しています。

なお、このスピーキングテストは、2023年春に進学予定の現中学3年生を対象として、2022年11月に実施されるものです。


代表者聴取


2度目は、参議院法務委員会での質疑(5月19日)です。東徹議員(日本維新の会)が、障害者ある人への「代表者聴取」という制度について質す中で、緘黙の女性が性被害に遭った事件に言及しました。

「代表者聴取」とは、児童虐待や性犯罪の被害を受けた子どもや障害ある人を対象に、検察と児童相談所、警察らが一括して聞き取りを行う制度です。複数の人から繰り返し事情聴取を受けると精神的負担が増すため、代表者が聴取を行います。今回被害に遭った緘黙の女性も、代表者聴取を受けており、今回言及されました。

代表者聴取はもともと子どもが対象の制度だったのですが、2021年度からは障害ある人にも試行されています。試行段階の制度なので、本格導入を見据え、国会で質問されたのでしょう。