雑誌『児童心理』休刊について

更新日:2022年08月23日(投稿日:2022年08月23日)
アイキャッチ画像。
場面緘黙症を何度も扱ったことがある教育雑誌『児童心理』が休刊しました。

といっても、休刊は2019年2月のことです。当時このブログで話題にしようかどうか迷っていたところ、書きそびれてしまい、3年以上も経ってしまったのでした。

休刊の理由について、出版社の金子書房は「情報収集・伝達の多様化等、市場環境の変化も重なり」と記しています。

↓ 当時の休刊の「お知らせ」です。金子書房ウェブサイトへのリンク。Wayback Machineによるアーカイブ。
◇ 雑誌『児童心理』 休刊のお知らせ - 株式会社 金子書房
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『児童心理』は一般の書店でも見かけることがある雑誌でした。実際、緘黙の記事が掲載された時、私は地元の書店の店頭で同誌を買ったことがあります。同誌は古くから緘黙を取り上げていて、私が知る限りでは、1970年代からおよそ20回にわたって緘黙を取り上げています。それだけに、休刊のニュースを知った時はショックでした。

教育雑誌の休刊・廃刊は、以前から相次いでいたそうです。最近では、90年余の歴史がある小学館の『教育技術』が2022年にウェブ媒体に移行しています(ただし、『総合教育技術』は紙媒体での刊行を継続)。

何しろ、この種の雑誌は民間企業が出版している場合が多いです。市場環境の変化等で売れ行きが厳しくなると、休刊や廃刊につながるはずです。教育や緘黙支援といった分野に市場がどうこうという話を持ち出すと拒否感を持つ人がいるだろうと思うのですが、少なくとも民間企業の出版事業については、市場の論理を切り離して考えることはできないでしょう。

緘黙を何度も取り上げた雑誌が休刊したのは今思い出しても残念ですが、これも時代の流れなのだろうかとも思います。