コロナ収束が近づくと、緘黙児者にどんな影響が

更新日:2022年09月29日(投稿日:2022年09月29日)
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香港の緘黙専門家への取材記事


香港の英字新聞 South China Morning Post に気になることが書かれてあったので、取り上げてみます。25日(日曜日)に公開された場面緘黙症の記事です。

↓ その記事へのリンクです。
◇ Is your child too afraid to talk in social situations? Selective mutism, a severe anxiety disorder, is not just shyness – how 2 girls overcame it
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記事は、2人の緘黙経験者の実例を交えながら、緘黙の専門家 Melissa Ortega Giglio博士(臨床心理学)の取り組みを紹介したものです。

博士は、緘黙支援でも有名なニューヨークの Child Mind Institute の出身です。 Bravery Growsというタイトルの本を出したり、5日間の集中治療プログラムを実施したりといったところが、Child Mind Institute 出身の専門家らしいといえば、らしいかもしれません。


パンデミックと緘黙児


私が記事の中で気になったのは、パンデミックが緘黙児に与えた影響に関する記述です。博士は、教師から緘黙児の照会を受けることが増えていると言います。香港では学校が長期にわたって休みになったそうですが、学校に通わなかったり、他の子と遊ばなかったりした緘黙児が、ここにきて元の学校生活に戻ったことによって、緘黙児の不安が高まるといった問題が出てきているそうです。

この話はあくまで、緘黙児を診てきた博士の個人的経験で受けた印象のようです。また、照会が増えているのは、パンデミックによる受診控えが収まってきたことも一因ではないかと私などは思います。

とはいえ、あり得そうな話です。日本は香港とは事情が違うでしょうが、やはり徐々に以前の生活に戻りつつある中で、今後、緘黙児者に同じような影響が出てこないか気がかりです。

関連ページ


↓ Tatler という雑誌のアジア版ウェブサイトに29日(木曜日)掲載された緘黙の記事。同様のことが書かれてあります。雑誌での掲載状況は把握していません。
◇ These Two Hong Kong-based Psychologists Are Raising Awareness of the Childhood Anxiety Exacerbated by the Pandemic
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