緘黙姉の手記が、コンクール入賞

更新日:2022年11月18日(投稿日:2022年11月18日)
アイキャッチ画像。
場面緘黙症の妹を持つ32歳女性が書いた手記が、2016年にあるコンクールで入賞していたことを知りました。手記の内容は、緘黙に深く関わることです。興味深い手記だと思ったので、ここにご紹介します。

↓ その入賞作です。一般財団法人インターネット協会のウェブサイトへのリンク。
◇ 「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」受賞作品
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入賞したコンクールは、一般財団法人インターネット協会が実施する「インターネットの安心安全な利用に役立つ手記コンクール」です。2016年の第2回コンクールで、この手記が「使いこなし部門」の最優秀賞に選ばれました。なお、応募作は全132作品で、部門賞は4つに分かれています。

この手記では、きょうだいの視点から緘黙者を書かれていて、その点は珍しいです。緘黙が改善したのはSNSの力もあったのかもしれませんが、妹さんに寄り添った筆者によるところも大きいでしょう。妹さんがSNSでのやり取りから、現実世界でのコミュニケーションに少しずつステップアップできたのには、筆者の介在があったからです。

緘黙児者がみなSNSやオフ会で緘黙が改善するとは限りません。また、インターネットを通じて知り合った人と出会うことは、危険を伴う場合があります。このため、この手記と同じ方法をとりさえすれば緘黙を克服できる、皆さんもこの方法でいこう!とおすすめするつもりは私にはありません。

とはいえ、一つの事例としては興味深いです。緘黙関係者の間では、ネットを通じた交流が盛んに行われてきた歴史があるだけに、そう感じます。