コロナ禍で緘黙児者が増えてる?(米)

更新日:2022年12月14日(投稿日:2022年12月14日)
アイキャッチ画像。
その有病率は、実は増えています。おそらく、それは不安が根底にある障害であって、特にコロナ以降、私たちは非常に不安な世界で生きているからです。

[It] actually has been rising in prevalence probably because it is anxiety based and we live in a very anxious world, especially since COVID.

場面緘黙症について、アデルフィ大学(ニューヨーク)のChristy Mulligan助教がこう述べています。同氏は学校心理学の助教で、博士論文は緘黙の分類の研究であるなど、緘黙を専門の一つとしています。

↓ 情報源です。アデルフィ大学ウェブサイトへのリンク。
◇ Christy Mulligan, PsyD: Helping Troubled Youth and Sharing Her Knowledge With Her Students | Adelphi University
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ただ、何をもって緘黙の有病率が増えていると述べているのか、その根拠はここでは示されていません。

コロナ禍でメンタルヘルスの悪化が問題になっていると言われており、アメリカでは日本以上にそうした話を耳にします。WHO(世界保健機関)も、パンデミックの最初の年で、鬱や不安の人が世界で25%増えたとしています。

↓ 鬱や不安が25%増えたというWHOの記事です。
◇ COVID-19 pandemic triggers 25% increase in prevalence of anxiety and depression worldwide
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それならば、緘黙児者が増えているのも、コロナ禍で不安の人が増えているからかもと考える人がいるのも分からないまでもありません。

ただ、緘黙はかなり強い不安を背景としたものです。コロナ禍で、そこまで強い不安を持った人が増えるだろうかという素朴な疑問が私にはあります。それよりも、ソーシャルディスタンスの実施などにより、人と接触しにくくなったことが、緘黙の維持や強化につながり、緘黙が改善しにくい人が増えた可能性の方がまだ考えられるような気がします。

もっとも、私も何の根拠もなく言っているのですが……。どちらにしろ、気になる発言です。同じような認識は、他の専門家の間で広がっているのでしょうか。