人前で文字を書くことの恐怖症
更新日:2023年01月14日(投稿日:2023年01月14日)

場面緘黙症があると、特定場面で話せなくなるだけでなく、字を書けなくなってしまう人もいます。
アルゼンチンの緘黙団体 Mutismo Selectivo Internacional は Facebookページの中で、これは ESCRIPTOFOBIA であると述べています。英語で言うと scriptophobia。日本語に訳すとすれば何でしょう、人前で文字を書くことの恐怖症といったところでしょうか。
↓ そのFacebookページの投稿へのリンクです。
◇ Mutismo Selectivo Internacional
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緘黙児者が特定場面で字を書けなくなることを、このような恐怖症として説明するのは、一般的ではないのではないかと思います。
とはいえ、ちょっと興味深いと私は思いました(私は専門家ではありませんけれども)。なぜならば、これには、特定場面で字を書けなくなる状態は様々な人が起こりうる症状であり、字を書けなくなる緘黙児者は、そうした症状を併発したものという含意を感じるからです。こうした見方は今のところ一般的ではありませんが、緘黙の理解に新たな視点を提供する可能性を感じます。
それならば、特定場面で動けなくなる「緘動」はどうか。あるいは、トイレに行けなくなる状態のことはどうか。さらに考えが及びます。
なお、上と似たものとして、書字恐怖症(graphophobia)というものもあります。また、書痙(writer's cramp)と呼ばれるもののありますが、これは手が震えるというもので、人前で文字を書くことの恐怖症とは異なります。