ノルウェーの集会
更新日:2023年04月15日(投稿日:2023年03月23日)

著名な言語聴覚士を招いて
海外でも、場面緘黙症の様々なイベントが催されています。
先日はノルウェーで、大きめの集会が開かれました。緘黙治療で有名なイギリスの言語聴覚士・マギー・ジョンソン(Maggie Johnson)さんを招いてレクチャーをしていただくというのが、この催しの看板です。ノルウェーの催しにイギリスの専門家が参加というと驚かれる方もいらっしゃると思うのですが、海外の緘黙のイベントでは、こういうのは時々あります。
[イベント概要]
日時:3月17日(金曜日)9時30分から15時00分まで
場所:オスロ
対象:緘黙に関心がある方であればどなたでも
主催:ノルウェーの団体「場面緘黙症協会」(Foreningen for selektiv mutisme)
↓ 開催情報。場面緘黙症協会のウェブサイトへのリンクです。Google翻訳で日本語に訳してありますが、レイアウトがずれるかもしれません。
◇ Fagdag om hjelpetiltak for barn og unge med selektiv mutisme 17. mars i Oslo
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↓ イベントの報告。場面緘黙症協会のFacebookページへのリンクです。
◇ Foreningen for selektiv mutisme
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集会には質問コーナーもあり、その回答者には、緘黙の研究で有名なHeidi Omdalさんのお名前もあります。
この集会には、ノルウェーの公共放送NRK(ノルウェー放送協会)の取材も入ったそうです。
[追記(2023年4月15日)]
19時台のニュース番組で、取り上げられました。
↓ 場面緘黙症Journal掲示板「緘黙関連ニュース」へのリンクです。
◇ ノルウェー放送協会19時ニュース
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それから、スウェーデンの緘黙団体Tala om tystnadの方がこのイベントに参加したことをFacebookページで明かしています。イギリスから、スウェーデンからと、国境は関係ないのでしょうか。
あのマルテさんも
この集会には、あのマルテ・フレドリクセン(Marte Fredriksen)さんも参加、自らの経験を話すなどされていたそうです。マルテさんは緘黙経験者で、現在はモデルとして活動されている方です。2018年にはミス・ノルウェーのファイナリストにまでなり、その時はこのブログでお伝えしたことがあります。
↓ 集会でのマルテさんのお話。英語。YouTubeへのリンクです。9分55秒。
◇ Selective Mutism - sharing my experience
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後半のマルテさんのお話は力強く、前向きで、私としては驚かされます。緘黙の経験をポジティブに受け止めていますし、challengeという言葉を繰り返し使っています。
これぐらい前向きの方でなければミス・ノルウェーのファイナリストにまではなれないのか。それとも、もしかすると、現在のマルテさんの生活が充実していて、それゆえ緘黙経験をあのように捉えることができるのか。
海外では緘黙児者に勇気を出すよう励ましたり、コンフォート・ゾーンから抜け出せといったことを呼びかけるなど、緘黙児者に一定のチャレンジを促す場面を目にすることがあります(もちろん、不安に対する理解なしに、むやみやたらにチャレンジを促すものではありません)。マルテさんのお話の背景には、あるいは、こうしたことも関係しているのか。
どちらにしろ、マルテさんの後半のお話は前向きすぎて、日本では共感できる人は比較的少ないかもしれません。日本では「生きづらさ」に絡めた話の方が共感を得やすそうです。しかし、だからこそ、マルテさんのお話は私には新鮮で、刺激になりました。