厚労省「患者調査」年別推移
更新日:2023年06月01日(投稿日:2023年05月30日)

厚生労働省の「患者調査」で、場面緘黙症の調査も行われていたというお話を先日しました。患者調査とは、病院および診療所を利用する患者について、その傷病の状況等の実態を明らかにし、医療行政の基礎資料を得ることを目的に行われる標本調査です。
しかし、このときお示しした数字は令和2年のもののみでした。ですが、政府統計の総合窓口「e-Stat」では、平成8年から令和2年までの数字を3年おきに確認できます(3年おきなのは、調査自体が3年おきなので)。せっかくですので、平成8年以降の数字を今回お示しすることにします。
凡例
単位は千人。ただし、平均診療間隔は単位が日です。
-は計数がないことを意味します。
0と記したり、0.0と記したり、表記が一定しないものもあります。資料の表記がそうのでそれに合わせています。
推計患者数とは、「調査日当日に、病院、一般診療所、歯科診療所で受療した患者の推計数」のことだそうです。もっとも、歯科診療所は、ここでは考えなくてもよいのではないかと思います。
また、総患者数とは、ある傷病における外来患者が一定期間ごとに再来するという仮定に加え、医療施設の稼働日を考慮した調整を行うことにより、調査日現在において、継続的に医療を受けている者(調査日には医療施設で受療していない者を含む)の数を次の算式により推計したものだそうです。総患者数は、次の式により求められます。
総患者数=推計入院患者数+推計初診外来患者数+推計再来外来患者数×平均診療間隔×調整係数(6/7)
調査結果
令和2年
推計患者数:0.1
入院:0.0
外来(総数):0.1
外来(初診):-
外来(再来):0.1
平均診療間隔:31.9
推計退院患者数:-
総患者数:2
平成29年
推計患者数:0.1
入院:0.0
外来(総数):0.1
外来(初診):0.0
外来(再来):0.1
平均診療間隔:22.0
推計退院患者数:-
総患者数:2
平成26年
推計患者数:0
入院:0
外来(総数):0
外来(初診):0
外来(再来):0
平均診療間隔:8.7
推計退院患者数:-
総患者数:0
平成23年
推計患者数:-
入院:-
外来(総数):-
外来(初診):-
外来(再来):-
平均診療間隔:-
推計退院患者数:-
総患者数:-
平成20年
推計患者数:0.1
入院:0
外来(総数):0.1
外来(初診):-
外来(再来):0.1
平均診療間隔:-
推計退院患者数:-
総患者数:0
平成17年
推計患者数:0
入院:-
外来(総数):0
外来(初診):0
外来(再来):0
平均診療間隔:5.1
推計退院患者数:0
総患者数:0
平成14年
推計患者数:0
入院:0
外来(総数):0
外来(初診):-
外来(再来):0
平均診療間隔:-
推計退院患者数:-
総患者数:0
平成11年
推計患者数:0
入院:0
外来(総数):-
外来(初診):-
外来(再来):-
平均診療間隔:-
推計退院患者数:-
総患者数:0
平成8年
推計患者数:0
入院:-
外来(総数):0
外来(初診):-
外来(再来):0
平均診療間隔:-
推計退院患者数:-
総患者数:-
コメント
令和2年だけでなく、他の年も、ほとんど数字がありません。緘黙の総患者数(推計値)が0人という年もザラです。
これはきっと、緘黙児者が当時は存在しなかったというのではなくて、患者調査の対象となるような医療施設(例えば、小児科、精神科)で受療した緘黙児者がほとんどいなかったということだろうと思います。