ノルウェー団体の緘黙の本
更新日:2023年09月01日(投稿日:2023年09月01日)

ネットで無料公開
ノルウェーの場面緘黙症の団体 Foreningen for selektiv mutisme が、場面緘黙症の本をウェブサイトで無料公開しています。
この本は絵本の形式に近いこと、保護者が作った本をもとにしていること、幼稚園や小学校の子どもたちに読んであげることを念頭に書かれていることなどから、私などは日本の絵本『なっちゃんの声』を思い起こしました。興味深く思ったので、ご紹介してみます。
↓ 本を紹介したページ。本のダウンロードリンクもあります。Google翻訳で和訳しています。
◇ Boken Mio har selektiv mutisme | Foreningen for selektiv mutisme
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↓ 原文はこちら。
◇ Boken Mio har selektiv mutisme | Foreningen for selektiv mutisme
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本はPDFファイル(約2MB)で公開されています。Google翻訳PC版の「ドキュメント」を翻訳する機能を使えば、このPDFファイルも和訳が可能です。ただし、和訳には少し時間がかかるかもしれません(私の場合、5分ほどかかりました)。
内容と感想
本の内容は、「ミオ」という緘黙がある少年を主人公とした話です。私も機械翻訳で読んでいるためよく分からない部分もあるのですが、ミオは幼稚園児という設定ではないかと思います。
分量は表紙を合わせて16ページです。序文など一部のページを除き、各ページは上部にイラスト、下部に文章という構成です。先ほどお話しした通り、絵本に近い形式と言えるでしょう。
『なっちゃんの声』がシンプルな内容だったのに比べて、本書は色々と盛り込んでいます。緘黙の理解のみならず、話せるようになる取り組みまで踏み込んでいます。
話せるようになる取り組みの1つとして、トーキングカードの活用が挙げられています。トーキングカードは、このノルウェーの緘黙団体のウェブサイトに公開されていることから、ウェブサイトの内容と連動するかたちとなっています。なお、トーキングカードのような類いのものはAAC(拡大代替コミュニケーション) と呼ばれ、非言語コミュニケーションを取ることを目標とする段階の緘黙児には活用するのもよいだろうと思うのですが、いずれは卒業するべきものだろうとも思います。
緘黙を社交不安症の一種とするなど、私としては所々疑問を感じる箇所もないではありません。とはいえ、全体としては興味深く読みました。