教師の研修報告に『場面緘黙児への支援』
更新日:-0001年11月30日(投稿日:2011年05月17日)
この報告は、大変興味深いです。2007年に出版された『場面緘黙児への支援』の技法が、緘黙の子の個別支援で大幅に取り入れられているからです。つまり、「人」「場所」「活動」の統合的な階段を考えながらスモールステップを踏んだり、支援チームを組んだりといったことが行われています(かんもくの会の方、この研修報告はご存知でしょうか?)。また、2008年に出た『場面緘黙Q&A』も、報告書の中で引用されています。日本でも、インターネットから場面緘黙症の支援団体が生まれましたが、その活動から生まれた書籍が、教師の研修の際に重要な参考資料とされていたことを示しています。
また、教師の意識調査も興味深いです。ときどき、学校の教師の中には場面緘黙症のことを知らない人がいるという声を耳にすることがありますが、具体的に何パーセントの教師が場面緘黙症のことを知っているとか、そうした定量的な実態の把握をしている人はそうはいないのではないかと思います。今回の調査は価値ある調査であるとともに、認知度調査の必要性についても考えさせられます(といっても、私に調査はできないのですが……)。
[文献]
◇ 高市秀昭(2008). 場面かん黙児に対する学校としての支援の在り方-教師への啓発と支援プログラムの実践を通して-. 長期研修講座研究集録, 73-76.