緘黙を「深刻な」不安症と説明する

更新日:2019年06月07日(投稿日:2019年06月07日)
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英語圏では「深刻な」不安症という説明も目にする


Selective mutism is a severe anxiety disorder...

場面緘黙症は深刻な不安症で……(以下略)

英語圏では、緘黙を "severe anxiety disorder" (深刻な不安症)などと説明する場合もあります。severe(深刻な)という形容詞を使って表現するのです。上はその一例で、イギリスのNHS(国民医療制度)ウェブサイトによる緘黙の説明です。

◇ Selective mutism - NHS
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ところが、日本ではそうした説明は目にした覚えがちょっとありません。このことは前から気になっていました。そこで、私も「緘黙は深刻な不安症」と説明してみようかと思ったことがあります。

ですが、その時はやめました。なぜならば、「深刻な」のような形容動詞や形容詞、副詞は客観的情報を持たず、客観的な文章を書く際には注意を要すると考えたからです。そして、この場面で「深刻な」という表現を使うのは不適切ではないかと考えたのでした。


「緘黙は深刻な不安症」と書いてみました


ところが最近、ある場面で「緘黙は深刻な不安症」という説明文を思いきって使ってみました。

実は私、5月の緘黙啓発月間に、緘黙の応援キャラクター「かんもくん」が3D世界を旅するゲームを公開しようとしたのですが、その中で緘黙をそう説明しようとしたのです。親しみやすいゲーム内の説明なので、客観的な文章の書き方にそこまで拘らなくてもよいだろうと考えたのでした。

かんもくんの絵
↑ 「かんもくん」。折原さんが提案し、みこさんがデザイン。なお、上の画像は私が描いたものです。

残念ながらそのゲームは完成したものの、諸事情により公開は当面行なわないことにしました。公開日は未定です。

ですが、ゲームのイメージ画像はここでお見せしてもよいでしょう。ゲーム内では、次のように緘黙を説明するはずでした(再掲)。いかがでしょうか?

「場面緘黙(かんもく)症とは……話す力があるにも関わらず、学校など特定場面で声が出ず、話せなくなる深刻な不安症です」と書いてあります。

※ 画像をクリックすると、画像の全体を表示します(106KB)。
※ ゲーム内容は、かんもくんが緘黙の本を買いに行くというもの。だから、こういう画像になっています。

[利用素材]

※ ひさよんさんによるイラストACからのイラスト。
※ 南見まめこさんによるイラストACからのイラスト。



狛江市議会で、緘黙について踏み込んだ議論

更新日:2019年06月01日(投稿日:2019年06月01日)
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東京都の狛江(こまえ)市議会で、場面緘黙症に関して、やや踏み込んだ議論があったことを知りました。

平成30年(2018年)3月2日に開催された、平成30年第1回定例会(第3号)でのことです。山本暁子議員(狛江・生活者ネットワーク)と、平林浩一教育部長の質疑答弁が記録されています。

↓ ページ内を「緘黙」と検索してみてください。
◇ chiholog - 地方議会議事録横断検索
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↓ このページでも読めます。「緘黙」と検索してみてください。
◇ トップページ | 狛江市議会会議録
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山本議員の質問内容は、「ディスレクシアや場面緘黙 学びたい気持ちを支える体制を」と題するものです。なお、ディスレクシアとは、知的に遅れがないにも関わらず、読み書きに困難を抱える障害です。

緘黙については、「緘動」も含めた基本的な症状の説明、授業での対応などを質しています。

注目したいのは、今後導入されるアクティブラーニング、英語におけるスピーキング、さらには笑育(わらいく)を重視した授業などでの配慮について要望も行なっている点です。

このうち、笑育とは、狛江市ホームページによると、「松竹芸能株式会社の協力で漫才のネタ作りや発表を通して、想像力・発想力を育み、表現力の育成を図る」事業だそうです。アクティブラーニングや英語とは異なり、一部の学校で行なわれている事業で、狛江市では平成30年5月から始まっています。

↓ 「笑育」が解説されています。
◇ 笑育 |松竹芸能株式会社
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話せない緘黙の児童生徒への配慮となると、やはり話し言葉以外のコミュニケーション手段の保障が考えられる方法の一つなのでしょうか、議会でもそうした案が出ています。緘黙児者も様々で、文字による交流ができる場合もあれば、それもできない場合もあり、答えは一つではないでしょう。いずれにしても、これは大事なテーマで、よく取り上げられたと思います。


TVで有名な気象予報士が、緘黙経験を告白

更新日:2019年05月27日(投稿日:2019年05月27日)
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NHK「ニュース7」土日祝日の気象キャスターを担当されている國本未華さんが26日、ブログの中で、場面緘黙症であったことを打ち明けられました。

↓ 國本未華さんのブログへのリンクです。
◇ 「しゃべらないミカちゃん」の話
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↓ 國本未華さんのTwitterアカウントへのリンクです。ここでも緘黙について書かれています。
◇ 國本未華さん(気象予報士・防災士)
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國本未華さんは気象予報士・防災士として、これまでに数多くのテレビ番組に出演されたり、講演をされたりしています。

有名な方だけに、勇気ある告白だと思います。私は、緘黙についてより多くの方に知っていただきたいと考えているので、本当によくおっしゃったという思いです。

私も学校で話せなかったのですが、國本未華さんが書かれた経験には共感できるところが多かったです。特に、小学校に入って話せるようになった後、友達に「くにちゃんって幼稚園の時に無言だったんでしょ?」と聞かれてすごく嫌な気持ちになったというくだり。これは実に嫌ですし、緘黙を本当に経験した方でなければ、こうした気持ちは書けないでしょう。

また、緘黙を経験された方が、現在はテレビや講演でお話をしているというのも、勇気づけられる思いでした。

私はNHK「ニュース7」はよく見ているので、今回のことには驚きました。つい昨夜も視聴し、國本未華さんの気象解説を聴いていたところです。ここのところ5月とは思えない暑さが続いているので、昨夜は特に注意して聴いていたのでした。これを機に、緘黙への理解がさらに広がるとよいです。